二十九話 可愛い女の子 ページ30
たしぎside
一人廊下に取り残され、私はスモーカーさんとは反対の方向へ歩き始めた。
Aさんと初めてお会いしたのはスモーカーさんの部下になって間も無くだった。
ーーー
ス「おい、たしぎ」
稽古の休憩中に、スモーカーさんは私に声をかけてきた。
この頃は海軍に入りたてで、強面の彼に少し気を張っていた。
ス「オマエに会わせたい奴がいるんだが、今大丈夫か？」
た「？大丈夫ですけど…」
ス「そうか。おそらくもうそろそろ バンッ！！
た「！？」
勢いよく開いた扉に、驚いて目を向けると、そこにいたのは本当に可愛らしい女の子だった。
ス「A…また抜け出してただろ！このアホが！」
『ちょっと買い物にね。あ！貴方がたしぎちゃん？』
Aさんは怒鳴るスモーカーさんをヒラリとかわして、大きな紫色の目をこちらに向けて駆け寄って来た。
た「よ、よろしくお願いします！先日入隊した、たしぎといいます！」
『ふふっ、よろしくね、たしぎちゃん。私はA。海兵じゃないんだけど、ここに住まわせてもらってるの』
私より背も低く4歳年下だけど、Aさんはすごく大人びていた。
とても綺麗に笑う人、それがAさんの第一印象だった。
ーーー
それからは稽古に励む毎日だった。
ここでの生活にも慣れてきて、海賊と応戦することも増えてきた。
みんなに遅れをとらないように一生懸命努力した。
『お疲れ様、たしぎちゃん。今日も頑張ってたね』
日が暮れた頃にAさんはヒョコッと現れて、差し入れをくれたりした。
Aさんはクザン大将の家族だと聞いた。
でも、海兵たちが彼女の姿を見たことはないという。
唯一Aさんと顔を合わせたことがあるのはクザン大将と元帥、スモーカーさん、そして何故か私だけだ。
た「あの…Aさん」
『私の方が年下なんだから、敬語大丈夫だよ？』
た「あ、いえ、こっちの方が落ち着くので！」
『そう？ならいいけど。どうしたの？』
た「…いえ…ありがとうございます、いつも」
『あぁ、私が好きでやってる事だから！それに私嬉しいんだーたしぎちゃんがスモーカーの部下で』
そう笑うAさんの笑顔は、いつもの綺麗な笑顔とは違って、目を細め、くしゃっと笑う、なんとも子どもらしい笑顔で…そう、温かい笑顔だった。
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もえぎ(プロフ) - コメントありがとうございます！複雑なストーリーとなっていますので最終的にどうなるかはまだはっきりしていませんが、その可能性は大きいです！ (2023年4月23日 21時) (
レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説はトラファルガーローオチですか？ (2023年4月23日 19時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！気づかなかったので助かりました！ (2023年2月5日 12時) (レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ;らたってますよ (2023年2月5日 10時) (レス) id: 6328f81305 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年2月5日 9時) (レス) @page1 id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえぎ | 作成日時：2023年1月16日 0時
