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きゅう ページ10

「消えた獄卒を探してほしい?」
「そうなんだ。私の知り合いで、とても世話になっていてだな…。とにかく、青い目で、カーキ色の制服を着た人型の男を探してほしい。報酬は…後払いで。」

ここは新聞社内のカフェテリアである。特に人に聞かれて困るような話ではないからと、ルイがゆっくり話せる場所、としてここを選んだのである。緑茶を頼んだ私に対し、ルイは『たぴおか』なる蛙の卵のようなものが入った甘い飲み物を注文していた。ちょっと、いや、非常に美味しそうであったので、一口くれといったら、なぜか顔を赤くして固まってしまった。厭なのかと思ったら、固まりが解けた後に普通にくれた。変な奴だ。予想通りたぴおかは美味かった。

「へー。まー、同僚に聞いてみるよ。青い目の獄卒ね。まあ、この辺であのカーキ色の制服は目立つし、存外、さっさと見つかるんじゃないかな」
「助かる。」
「報酬は金じゃなくて、情報で頼むよ。代々木の情報網は頼りになるんだ。」
「今は私のほうが頼りにしているけどな。」
「はぁっ。そのくらいが嬉しいよ。」

ルイは、『はぁっ』と、息の抜けるような笑い方をする。柔らかい感じがして、私は好きだ。

「持ちつ持たれつ、だね。」
「そうだな。」

彼は私より大分年下のはずだが、人生経験が私よりずっと豊富で、大人びている。そんな彼が唯一見せる子供っぽさが、この笑い声。何故だか、聞いた者を、非常に安心させる。
私も、そんな風になりたいと彼に相談したことがある。そうしたら、彼は屈託のない笑顔で「そう思っている奴は皆出来るようになるよ」と言った。
ルイは、良い奴なのだ。

じゅう→←はち



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えだまめ(プロフ) - え…これで…?!ここで終わりですか!!!????続きとかって…もう書かれる予定ないんですかね……とても面白かったので…… (11月7日 19時) (レス) id: 7ac8ba9ab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和凪汀 | 作成日時:2018年11月30日 20時

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