#39 言えないよ ページ39
ープルルル。
「もしもし、A?」
久しぶりに聞く真祐の声に少しだけ心が落ち着く。
「、、A?」
「あ、ごめん、考えごとしてた。
久しぶりだね。」
「だね。」
「真祐あのね、今日から正式に男子のスタッフとしてワールドカップ中は一緒に行動することになった。
真祐には直接伝えたくて。」
「そっか。
電話くれてありがとう。
頑張って!
色々大変だと思うけど、応援してる!」
「ありがとう!」
「色々と急だったけど、今後についてはどう?」
「んー、まだ全然分かんないけど、これからを決める為には今回のスタッフの経験が絶対に役立つ。
そんな気がする。」
「そっか〜。
Aがそう言うならスタッフの件については、私も女子の代表メンバーもなにも問題ないと思ってる。
むしろ、みんなで応援してるよ!
けど…。」
真祐は続きを言いづらそうに、言葉を詰まらせた。
「周りからのバッシングかな…。」
「そう。それが心配。
Aがどれだけ悩んで考えてたかも知らないのに、勝手なこと言わないでって思っちゃう。」
「真祐〜、そう思ってくれてるだけで嬉しいよ。」
「でも、、。」
「実はね、ネットとSNS禁止されてるから、まだLINEに届いた悪口みたいなメッセージしか見てないんだ〜。」
深刻な問題に思って欲しくなくて、少し軽い口調で話してみた。
だから大丈夫、気にしないで、そう言わんばかりに。
「そっか…。」
私がこの調子だから真祐もこれ以上は言えないっぽい。
本当は、
“怖い”
“平気なフリを続けるのは辛い”
“迷惑掛けたく無いのに迷惑掛けちゃった”
そんな話を聞いて欲しかった。
だけど、これ以上話したら泣いちゃいそう。
辛さと真祐の優しさで泣きそう。
そんな所を選手に見られたら、迷惑を掛ける。
今日はここら辺でこの話辞めよう。
「あ、ごめん!
スタッフ集合らしい!」
「そ、そっか。
無理はしないで、でもやれるだけはやってね。
頑張って!」
「ありがとう!
じゃ、また!」
「うん…。」
嘘をついて無理矢理電話を切った。
優しい真祐だからこそ、言えなかった。
真祐の怒ってる所じゃなくて、笑顔が見たい。
これから大変だな。
バッシングなんて思ってもみなかった。
あったとしても、自分は無視出来るから大丈夫。
そう思ってた。
こんなに辛くて、周囲に気を遣うなんて。
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Cnt Rin(プロフ) - りゅりゅさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!!楽しんで読んでもらえて嬉しい限りです。これからも頑張りたいと思います!今後も応援よろしくお願いします! (2019年11月19日 20時) (レス) id: 98a7fc39b0 (このIDを非表示/違反報告)
りゅりゅ(プロフ) - 初めまして!私とても楽しくお話読ませていただいてます!私の好きな選手がイケメンに書かれてて余計に楽しみに読んでいます!色々と大変かと思いますが、これからも頑張ってください! (2019年11月19日 18時) (レス) id: 39112e58b4 (このIDを非表示/違反報告)
Cnt Rin(プロフ) - 。さん» ご指摘ありがとうございます。フラグ外せたと思います。分からないことだらけで本当にすみません。 (2019年11月10日 12時) (レス) id: 98a7fc39b0 (このIDを非表示/違反報告)
。 - まずルールを確認して下さい。そしてオリジナルフラグを外して下さい。違反になります。 (2019年11月8日 9時) (レス) id: b6262af8c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Star | 作成日時:2019年11月8日 9時