第五十四話 ページ5
雲外鏡が消えると同時に、理科室に場所が変わった。
安堵の息を吐き、リクオに礼を言うカナ。
ふと、外からカナを呼ぶ声が聞こえて来る。
「皆ー！」
「家長さん！」
「妖怪は?!」
「あ、ごめん！ あの、その……。勘違いだったみたい！ ちょっと寝不足で、寝ぼけてこの人形みたから、てな訳で大丈夫だから、じゃ、また明日ね！」
カナがそう言って居るうちに、理科室を出ようとするが、カナに気付かれる。
「貴方、誰なんですか？ 鼠の妖怪に捕まった時も、この間の合宿の時も、今も！ いつも、リクオ君が居ると現れる……。もしかして、貴方は……！」
リクオは無言で身を翻し、去ろうとする。が、カナが羽織りを掴み、引き止めた。
「その……。お願い。もうちょっとだけ一緒に……。貴方のこと、もっと教えて下さい！」
「怖い思いしても、良いんだな？」
「へ？」
カナがリクオに夢中に成っている隙に、敦とその場を離れる。
「……すみません、姐さん。僕……」
「カナを、身を挺して守ってくれたのじゃろう？ お前は良う遣った」
「姐さん……」
「却説、晶子に怪我を治してもらわねばな」
敦の顔から、さっと血の気が引く。
「い、否、大丈夫ですよ、此のくらい！」
「遠慮するでない。ほれ、行くぞ」
厭がる敦を引き摺って、晶子の下へ行く。
其の後、晶子の部屋から悲鳴が上がった。
私は其の間、側近である二人を宥めていた。
「リクオなら大丈夫じゃ。夜叉達を付けて居る」
「それなら、未だ安心ですけど……。何処に居るんですか?!」
「…………。本人から聞いてくりゃれ。兎に角、大丈夫じゃ」
敦を迎えに行く。
何時も通り実戦形式での鍛錬をし、朝。
リクオと側近二人と敦と共に、學校に向かう。
氷麗がリクオに問い詰めたり、カナに会い、昨日の夜と口走って怪しまれるたり、カナに正体がバレたのでは無いかとひやひやするも、天然全開な答えに唖然とするリクオだった。
…………。
亦、胸騒ぎがする。
何も無ければ良いが……。それは、敵わぬじゃろう。
続く
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ちゃむ(プロフ) - とても続きを読みたいです。 (2018年12月9日 21時) (
レス) id: 1eb8c38741 (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» ありがとうございます！ す、好いてくれているのですか……！ ありがとうございます！ 応援もありがとうございます！ 頑張ります！ 今後とも宜しくお願い致します！ (2018年4月4日 12時) (レス) id: 93766938ba (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - 続編おめでとうございます！いや、前の作品から知ってるのに遅いよって話ですが((私この作品ほんとに大好きなんです！これからも応援しています、頑張って下さいね！ (2018年4月4日 2時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 赤井司(�洩襦��瑛�)さん» ありがとうございます！ 応援ありがとうございます！ 頑張ります！ お友達はすみません……。少し事情があって、断らせていただいて居ります。申し訳ありません (2018年4月1日 13時) (レス) id: 93766938ba (このIDを非表示/違反報告)
赤井司(�洩襦��瑛�) - 最高です！すごく完成度が高いです！わっちの小説がクソ過ぎるだけなのでしょうか？まあ置いといて、これからもずっと応援しております！頑張って下さい！良ければお友達に(((((ヽ(*＾ω＾*)……すみません馴れ馴れしくして……… (2018年4月1日 13時) (レス) id: 32189bcc43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月17日 16時
