第五十一話 ページ2
「朝になれば、其の姿からまた人間に戻るのか。そして、妖怪であることは忘れてしまうのか。昼が、その姿を知らぬなら、夜と昼は、別人だと言うのか」
牛鬼が背を向けたまま、立ち上がる。
「お前……、そんなお前が気になるのかい？」
夜になると、随分と肝が据わった奴に成るのう。
雷が鳴る。
「うつけが……」
牛鬼が抜刀する。
私は一歩踏み出すが、リクオに目線で止められた。
牛鬼の刀が、リクオの首元へ添えられる。
「血に目覚めたその時から、」
「「！」」
「オレの意思は変わらねぇ」
刀からすり抜け、抜刀。牛鬼に斬り掛かる。
「オレは三代目となり、テメェら全員の上に立つ」
二、三度刀を合わせ、今度は牛鬼の首元に刀を添えられる。
「その気になれば、その首刎ねることもできる」
牛鬼は一拍置き、刀を弾く。
雷鳴と眩い光が照らす中、刀を打ち合う二人。
……ふむ。
私は外に出ているとしよう。
少しすると、刀と刀が交わる音が聞こえなくなった。
そして、空から黒い影が三つ、降りて来る。
「貴方は……。リクオ様は?!」
「中に居るよ。既に終わった」
扉を開け、三羽鴉を中に入れる。
「なっ……！」
「何だこの状況は！」
「リクオ様……！ 一体何が！」
動揺する三羽鴉。
「牛鬼、貴様血迷ったか！」
其の内の一人が駆け、後の二人も続く。
其れを、リクオが止める。
「此奴は、貴方様に刃を向けたのですぞ！」
「此度の我が行動に、悔いはない。……当然だと思わんか。奴良組の未来を、とんだうつけが継ごうというのだ。己を、妖怪とさえ認めぬうつけが……！ ……だが、お前には意思も器もあった。この俺を、見事超えた」
牛鬼が姿勢を変える。
其れに警戒し、リクオに下がれと言う三羽鴉。
「最早、これ以上考える必要は無い」
刀を持つ牛鬼。
「若！」
「これが、私の結論だ！」
牛鬼が腹を見せ、手に持った刀を其の腹に突き刺す。
…………。
「何故止めた……。リクオ」
牛鬼の持っていた刀は刃が折れていた。
「何故だ……。私には、謀反を起こした責任を負う義務がある。何故死なせてくれぬ……！ 牛頭や馬頭に、会わす顔が無いではないか……！」
「……牛鬼。オメェの気持ちは、痛ぇほど分かったぜ。俺が腑抜けと分かりゃ、俺を殺して自分も死ぬ。俺を認めたら認めたで、それでも死を選ぶたぁ、オメェらしい志だぜ。だがよ、牛鬼。死ぬこたねぇよ。こんなことで」
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ちゃむ(プロフ) - とても続きを読みたいです。 (2018年12月9日 21時) (
レス) id: 1eb8c38741 (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» ありがとうございます！ す、好いてくれているのですか……！ ありがとうございます！ 応援もありがとうございます！ 頑張ります！ 今後とも宜しくお願い致します！ (2018年4月4日 12時) (レス) id: 93766938ba (このIDを非表示/違反報告)
葡萄シャーベット(プロフ) - 続編おめでとうございます！いや、前の作品から知ってるのに遅いよって話ですが((私この作品ほんとに大好きなんです！これからも応援しています、頑張って下さいね！ (2018年4月4日 2時) (レス) id: f6cb6ae02b (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 赤井司(�洩襦��瑛�)さん» ありがとうございます！ 応援ありがとうございます！ 頑張ります！ お友達はすみません……。少し事情があって、断らせていただいて居ります。申し訳ありません (2018年4月1日 13時) (レス) id: 93766938ba (このIDを非表示/違反報告)
赤井司(�洩襦��瑛�) - 最高です！すごく完成度が高いです！わっちの小説がクソ過ぎるだけなのでしょうか？まあ置いといて、これからもずっと応援しております！頑張って下さい！良ければお友達に(((((ヽ(*＾ω＾*)……すみません馴れ馴れしくして……… (2018年4月1日 13時) (レス) id: 32189bcc43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月17日 16時
