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翔さんはいつも会社で社長さんをしてる時とも、私と二人でいる彼氏という存在の時とも違って…。
「Aさんが学生という事は重々承知の上でのお願いです。私なりに考え入籍をした方がいいという結論に達し、ご挨拶とお願いに伺った次第でございます。」
和室に通されてお父さんに向かい、そうそうに切り出すと座布団から下りて正座し、居住まいを正すと深々と頭を下げた。
こんな丁寧な言葉遣いと、きっちりした佇まいや姿勢の翔さんは初めて見る。
元々、有名大学付属幼稚園から通うおぼっちゃまだとはわかってたけど、普段の様子からはそんなの微塵も感じられないから…。
「A。」
お父さんは翔さんはそのままに、唖然とする私をなぜか呼び。
「…ん？」
「お前に…ハタチになりたての…まだまだ子供のお前に大企業の社長の妻が務まるのか？」
「え？」
「お前にその覚悟はあるのか？と聞いている。」
「…。」
まさか…
そんな事を聞かれるとは思わず、どう答えていいか咄嗟に返事ができない。
「お父さん、お言葉ですが私は彼女を社長の妻という肩書きに縛るつもりはございません。」
「櫻井さんには聞いていない。俺はAに聞いている。」
翔さんには視線も向けず、強い視線を私に向けたままピシャリと言い放つ。
「結婚して惚れた腫れただけでやってけるのはせいぜい１年だ。社長の妻…お前が思ってる以上に過酷だぞ？」
お父さんが私に対して、こんなに強い口調で物事を言った事はこれまでなくて、どうしようかと萎縮しちゃいそうになるけど、不安そうな目を向ける翔さんを見たら私もしっかりしなきゃって思って。
「お父さんはどう答えたら満足なの？」
「…どういう事だ？」
怪訝そうに眉を眉間に寄せてこちらを伺う様に低くく答えて。
「私が『覚悟の上だよ』ってこの場しのぎで答えてもお父さんは納得しないでしょ？」
「…。」
「お父さんが心配してくれる気持ちはありがたいし、よくわかるの。だって私はまだまだ世間知らずの子供だから。」
「…あぁ。」
「けど、私はひとりじゃない。翔さんもいるし、お姉ちゃんだってお義兄ちゃんだって助けてくれる。」
「それが甘いんだよ。」
「うん。でもだから頑張れるの。」
ひとりじゃないから頑張れる。
自分の為だけじゃなくて、相手がいるからこそ頑張れる事もある。
「私も翔さんの為に頑張りたい。」
翔さんの為になら頑張れると思うの…。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
