２７５☆ ページ35
息もたえたえでグッタリの私と違って普通の翔さんは、背中をベッドヘッドに押し付ける様に座り、うつ伏せのまま動けない私の髪を撫でる。
「水飲むか？」
「…ん。」
喉がカラカラで、声も掠れてる。
「鳴かせ過ぎたな。」
何が楽しいのか『ククク』と笑うと、ベッドが軋む音がして、隣の気配が消える。
どう考えても、翔さんのが動いてるのに…
この違いは何なのか…。
「A。こっち向け。」
気怠い身体をゆっくり動かし、既にベッドに戻ってる翔さんに向き直る。
ペットボトルのミネラルウォーターを口に含み、私のおでこにかかる前髪をかき上げる様に撫でると、唇が合わさり、隙間からゆっくりと水が流れ込んでくる。
コクリと飲み込んだ私を満足気に目元を緩ませ見つめる。
「もっと飲むか？」
「ううん。」
それには２、３度頷く仕草で返事をすると、自分もペットボトルの水を飲み干す勢いで豪快に水を飲む。
上下する喉仏が男の人だという事を強調して、なんだかドキドキする。
ポーッと見つめてた私に気づくと、
「んな見惚れてんなよ。」
と揶揄う様に茶化して私の隣のスペースに潜り込んできた。
待ってましたとばかりに擦り寄って、鎖骨におでこを当ててグリグリ。
翔さんの体温と匂いがいっぱい感じられるから私はこれが大好きで。
「甘ったれが。」
そう言いつつも、甘やかしてくれる翔さんは私の頭を上手に肩口に乗せるとギュ〜ッてしてくれる。
「好き。」
「あぁ。」
「私が一番好き。」
「あぁ。」
「誰にもココの場所はあげないもん。」
「安心しろ。お前以外にやるつもりはねぇ。」
「しょーちゃん？」
「ん？」
「私が大人の女性になるまでもう少し待っててね？」
隣に並んでもちゃんと奥さんに見られる様になるまで私いっぱい頑張るから。
そう私が思ってるのに、
「はっ…お前はマジでバカだな。」
軽く笑ってバカにした様に言うから、無理だって言われてる様でショックを受け泣きそうになる。
胸に埋めてた顔を無理矢理上げられて。
「お前は俺の腕の中で夜を越える度に綺麗になって…色香を纏う様になって…。」
そっとおでこにキスが落とされて、ゆっくり後頭部を撫でられる。
「俺色に染まり上がったお前は…俺にとって最高のシンデレラだ。誰もお前には勝てやしねぇ。」
大好きな彼の腕の中で聞く愛の言葉は、たとえ自信を無くした時でも何度でもシンデレラに戻してくれる魔法の呪文。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
