◆黒執事◆〜シンデレラの罪〜final

36＊命令 ページ44

＜Aside＞

私は黙ってセバスチャンさんに続いた

今回はたくさん迷惑をかけてしまった

エイミーお嬢様は縛られてたし←

サングやリエンを相手に戦ってたんだから

怪我したかも…そこまでしてくれたのは

坊ちゃんの仕事だからだとしても嬉しい…

でも…やっぱり申し訳無さだってある

正直、どんな顔したら良いんだろう?

──ｺﾝｺﾝ

貴)「失礼します…」

シ)「体は?」

貴)「え?」

開口一番の言葉の意味を考えてしまう

シ)「…体調はどうだ?」

貴)「あ…問題…ありません…」

シ)「良かった…」

目覚めたばかりの頭で返した言葉に

子供とは思えない然り気無い微笑みで

坊ちゃんが返す

シ)「サングから聞いていると思うが

僕はあいつらの事を報告しないことにした」

セ)「今回の連続誘拐殺人はソフィアさんと

アレティアさん…二人のイカれた女性による犯行

ということにするそうです」

貴)「ソフィアと…」

シ)「ソフィアがAを拐うも僕たちに勘づかれ

アレティアに失敗を責められ口論の末に彼女を毒

物で惨たらしく殺害 その後追い詰められ僕たち

の目の前で自害した…という筋書きだ

Aは事実上、今回の事件で唯一の生存者

必要があれば報告の際 証人として話をしてもら

わなければならないかもしれない

一応心にとめておいてくれ」

貴)「はい;」

シ)「それとサングが…Aをヒューバート家

に迎えたいと言ってきた…もう聞いたか?」

貴)「…はい」

シ)「…どうする?」

しばらくの沈黙の後、私は答えた


　


貴)「私…その申し出受けようと思います」


シ)「! そうか…」

貴)「でも…」

シ)「?」

貴)「坊ちゃんさえよかったら…まだ…


ここでメイドやっても良いですか…?」


シ)「!」

自分でも分からないけど涙が出てきた

貴)「私 ここに来て初めて自分の部屋を持ちました

仲間と初めて仕事をして

誰かのために水をくんで誰かをもてなして…

私にとっては…

初めて ただいまって言える場所だったんです」

シ)「泣くなA セバスチャン」

セ)「ﾌｯ…))どうぞ」

セバスチャンが私にハンカチを差し出す

シ)「ｸｽｯ))ファントムハイヴの使用人が

この程度で泣くな」

貴)「!」

シ)「言っただろう?『ここにいろ』と」

貴)「っ! はい…っ!」

シ)「サングたちとよく相談しろ しばらく休め…

行っていいぞ」

セ)「Aさん」

セバスチャンさんに連れられ部屋を後にした

廊下を歩いていても涙が止まらなかった

37＊メイドの才能→←＊God's daughters �鷄＊

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