12*空虚な瞳 ページ16
2階…──<シエルside>
─『一番北側の…』
ここか!
──バンッ
勢いよく扉を開く 相変わらず暗くて何も見えない
北側の部屋は手当たり次第に調べ尽くした
あとはここだけ
シ)「A!僕だ シエルだ!」
返事はない
外れか?
──ポゥ…
シ)「!?」
何かが床で光っている 歩み寄ってみると砕けた
石のようなものが淡い光を放っていた
? 色に見覚えが…大きめの欠片を拾い上げる
紐が一本通してあった
! Aの首飾り…!
Aが肌身離さず身に付けていたものだ
だかなぜこうも粉々なんだ?Aに限って自分
で破壊することは有り得ないだろう…
何にせよ この部屋にAがいたことは確かだ
?)『どなた…?』
シ)「!? 誰だ!」
女の声…?
壊れた破片が光を強め 影…姿を作り上げてゆく
シ)「! 女…?」
?)『初めまして
私は慈愛の名を持つ魔女…リーブン
どうか暫しの間 ご静聴願います
今からお話いたしますことはきっと
私の最期の言葉です』
<セバスチャンside>
セ)「まさかお嬢様と戦う日が来るとは
思いませんでしたよ」
エラ)「あぁぁぁ!!!」
──キンッ!
幾度となく爪とシルバーがぶつかり合う
それにしても目隠しをしているというのに
私の攻撃を全てかわしている
セ)「不思議ですね なぜ目隠しを?」
エラ)「ッ 煩い!!」
私は素早く背後にまわり 彼女の両手を封じる
エラ)「やm「お嬢様」?」
セ)「私は貴女の目に惹かれていました
どんなに埃を被り 貶められ 蔑まれようとも
決して何物にも染まることのない瞳…」
──『セバスチャンさん…』
Aさんとよく似たあの瞳に…
エラ)「離せ…!」
セ)「貴女の最期に拝ませては頂けませんか?
こんなもの…」
目隠しの紐をくわえる
エラ)「! やめろ…」
セ)「外してしまいましょう…?」ニヤ
エラ)「やめろ──…ッッ!!!」
──ハラ…ッ
目隠しはほどけあの頃の貴女が…
セ)「!?」
ない
エラ)「ッ …見なぃ…で…」
そこにはどこまでも続く“闇”
何物にも染まることのなかったあの瞳は
2つの空洞となっていた
無惨なほど綺麗に目をくりぬかれた場所から
涙が零れた
<エラside>
─『お母様?』
娘の頭に花をさす
─『ごめんなさい…』
抱きしめ 離し 背を向けた
─『? 早く帰ってきてね?』
リーブンと手を繋ぎ
小さな手を私に振っていた
あの時あの子の頭に飾ったのは
薄桃色の霞草だった
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黒妃 - 水季愛素さん» コメントありがとうございます(*´∇`*)今回は数日ほど間が空くことが何度もありましたね。すみません(・・;)続編も楽しんでいただけるように頑張ります。よろしくお願いいたしますm(__)m (2015年3月21日 7時) (レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
水季愛素 - まずは初めまして!そして完結おめでとうございます。ずっとコメントする機会を伺っていた一作目からのファンです。とくに、今作は毎日更新されてないかを見ては、一喜一憂していました。本当に面白かったです。お疲れ様です。続編、楽しく読ませていただきます! (2015年3月21日 1時) (レス) id: 3d8daab8a9 (このIDを非表示/違反報告)
黒妃 - ベルちゃんさん» 了解です(^-^ゞ少々時間がかかるので少しお待ちくださいm(__)mその内URLを載せさせて頂きます(*´∇`*) (2015年3月20日 19時) (レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
ベルちゃん(プロフ) - 続編、是非書いてください!応援してます( ´ ▽ ` ) (2015年3月20日 13時) (レス) id: d34f80808d (このIDを非表示/違反報告)
黒妃 - 紫杏さん» ご無沙汰です(。・ω・。)ゞ!!最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m!!続編、喜んで書かせて頂きますo(`^´*)!!ある程度更新が出来ましたらこの作品にURLを載せさせて頂きます(*´∇`*)次回もよろしくお願いいたしますm(__)m! (2015年3月20日 7時) (レス) id: fe8ac84d9e (このIDを非表示/違反報告)
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