Episode14 -2 ページ11
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私は智兄さんの視線から逃げるようにフレンチトーストを口に入れる。
ふわり、卵と牛乳の香りが口の中に広がって顔がほころぶ。
「おいしい」
「そりゃよかった」
智兄さんが優しく笑ってくれる。
「…で、その男から告白でもされたのか」
「えっ」
「やっぱそうか…どこのどいつだ。俺の妹に手を出そうってやつは」
「いやいやいや兄さん、違う、違うよ？」
「そんなわけあるか。俺の目をごまかせると思ったら大間違いだぞ」
ずいと身を乗り出す智兄さん。
私は逃げるように身体をそらす。
「相手は誰だ？俺に言わないってことは櫻井さんじゃないな」
「いやあのね兄さん、」
「もしかして、前に会ったって言ってた櫻井さんの友達じゃねぇだろうな」
「ち、ちがうよ！二宮さんじゃなくて…」
あ、しまった。
私はつい名前を口走ってから固まる。
目の前で智兄さんの綺麗な顔に怒りの表情が浮かんでいくのを私は何も言えずに見ることしかできなかった。
「A、俺はそんなどこの馬の骨ともわからないやつは許さないぞ。俺の目が黒いうちはお前を嫁にはやらん！」
「お、落ち着いてってば兄さん！まだそんな話じゃ、」
「まだ、だと？」
「……えーっと…」
久々にシスコンモードに重ためのスイッチが入った智兄さんを前に私は必死に逃げる口実を考える。
今日は会社に行く必要はないから仕事だからと言って切り上げるのは無理だし、智兄さんは遅番でまだ出る時間じゃないから仕事だよとは言えない。
焦って周りを見渡した私は机の上に置いたままのスマホに気が付いて「あっ」と声を上げた。
「さ、櫻井さん！」
「櫻井さん？」
「そう。櫻井さんから電話が来てて折り返すよう言われてるから、その電話折り返してくる…！」
私は素早く朝ご飯の食器をシンクに降ろすとスマホを持って逃げるように部屋へと駆け戻った。
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iCHiKA(プロフ) - みかぽさん» 読んでいただきありがとうございました！ご感想もいただけてとても嬉しいです。これからもきっと主人公ちゃんは彼と兄に挟まれて大変なんだと思いますが、そんな三人をこれからも愛していただけたら嬉しく思います。お付き合いありがとうございました。 (2021年1月16日 14時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» ともさん、いつもありがとうございます！今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。兄さんとのお別れは寂しいですが、これからも二人…いえ、三人ですかね、仲良く過ごしてくれると思います。兄さんにも新たに日々があることを願って！ (2021年1月16日 14時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - しょうくんさん» コメントありがとうございます！甘々な二人を気に入っていただけたようで光栄です。また機会があれば彼らに会えたらいいなと私も思っています。ご愛読ありがとうございました。 (2021年1月16日 14時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました！ありがとうございます！智兄さんと二宮くんに挟まれてる主人公ちゃんがをずっと見ていたいと思いました！！ (2021年1月14日 0時) (レス) id: 627aaeefd6 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結…お疲れ様でした。智くん担の私としてはずーっと智兄さんと仲良く暮らして欲しかった(￣▽￣;)これから智兄さんの新たな道が開けるのかな？なんて勝手に思ったりしてσ)>ω<*)ﾃﾍ (2021年1月12日 21時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年10月18日 16時
