Episode1 兄 ページ7
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私は兄と二人暮らしだ。
決して広くはない二LDKの部屋はもともと兄が一人暮らしをしている家だったのだけど、私が実家を出る条件が兄との同居だったため社会人になった今でもそのまま二人暮らしが続ている。
と、周りには説明しているわけだけど、実際のところはそのまま続いているというよりは一緒に暮らしたいから暮らしているという感じの方が強い。
自分でも言うのもなんだけど、兄は私に過保護である。
「ただいま」
「おう、おかえりA」
「ただいま智兄さん。智兄さんもおかえり」
「ただいま」
智兄さんはすでに寝間着に着替えて缶ビールを傾けていた。
その傍らに転がっている冊子を見つけて私はそれを拾い上げる。
「あ、これ物件の雑誌？」
「そう。どこにしようか考えないとな。こないだ言ってたろ、もう少し広い家の方がいいって」
「いいっていうか、智兄さんの部屋がないから」
「分かってる分かってる。俺たち二人とも社会人だしな、引っ越すのもありかと思ってもらってきた」
言いながらまた智兄さんはビールを傾けた。
確かにこないだご飯を食べながらそんな話をしたけど、まさか本気だったとは。
「そっか。じゃあ私もあとで見てみようかな」
「そうしろ。お前の希望は全部聞いてやるから」
「ふふ、うん。ねぇ智兄さん、明日はおやすみなんだっけ」
「おう。久々に土曜が休みだよ」
智兄さんの勤め先は都心の画廊である。
当然土日に仕事に出ていて休日は平日になる場合が多いけど、その勤務予定によってはたまに土日に休みが被ることもある。
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ペペロンチーノ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます^ ^ Episode6-10がピリオドだけになっていま！手違いでアップされたなら、これを読んで気づいていただければ…！ (2020年7月12日 21時) (
レス) id: 11672b536d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月17日 11時
