Prologue -6 ページ6
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私は助けを求めて櫻井さんを見たけれど櫻井さんはその整った顔全体で可笑しそうに笑いながら「よかったな」と私の肩を叩いた。
何が良かったのか私には全然わからない。
けれど。
零時の門限をあんな風に言われたのは初めてことだった。
物は伝え方ひとつでいくらでも印象が変わる。
櫻井さんも言っていたけれどまるで台詞のような、けれどその言葉は確かに私の心に突き刺さった。
私の顔をのぞき込んだ櫻井さんが、口角を上げて頷く。
「ほら大野、ちゃんとお答えしとけ」
ひょいと顔を揺らして二宮さんを指す。
櫻井さんの言葉に焼き鳥から顔を上げた二宮さんはちょっとだけ眉を下げて私の顔を見た。
「……いっしょに飲みに行くくらいなら…ぜひ…」
「え、ほんとですか？」
二宮さんの顔にパッと笑顔が広がった。
それが眩しくて、とくんと心臓が跳ねる。
「いわゆるお友達から〜…ってやつだな。ま、頑張れ」
他人事だからって、櫻井さんは気軽にそう言った。
私はどう答えていいものかわからず「…はい」と苦笑いを返すしかなかった。
話を聞いていたのか相葉さんがにんまり顔で刺身の盛り合わせを私の前に置く。
「じゃあ俺からのお祝いってことで」
「なんのですか」
「さんきゅー相葉さん」
「だから、なんのですか」
もう一度言いながら相葉さんを見上げたけれど相葉さんは下手なウインク、という名の両目を瞑って見せてくれた。
「じゃあ早速、連絡先教えてください、Aさん」
「…はい」
私が二宮さんを思い出すまで。
そんな期限付きで私と二宮さんの関係は始まった。
そして今まで一度だって破ろうとは思わなかった兄と取り決めた門限を、破ろうと思う日が来ることを。
この日の私はまだ、知るはずもなかったのである。
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ペペロンチーノ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます^ ^ Episode6-10がピリオドだけになっていま！手違いでアップされたなら、これを読んで気づいていただければ…！ (2020年7月12日 21時) (
レス) id: 11672b536d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月17日 11時
