其の後 ページ12
-side Osamu-
今日も探す。
何ヶ月も前に居なくなった相棒を。
どんなに胸糞悪い奴でも彼奴は、私の…僕の相棒だった。
『ったく、何処に居るんだか…』
其の場に居た芥川くんは傷で倒れて仕舞ったから何も知らないし…
取り敢えず、マフィアの本拠地へ向かう。
『…は?』
「ったたた…紫の奴、もう少し優しく落とせって…
はァ…中也は未だかな…」
中也…?
『其処の人、金髪の。』
「わ、私なのぜ?」
『中原中也を知りませんか。ずっと前から行方不明なのです。』
「え…其れってあの橙色の髪に青の目の?
黒い帽子を被ってる?」
目の前の少女は頭や目を指差し乍ら説明する。
『矢張りご存知なのですね。
一寸一緒に来て貰っても?』
「で、でも…」
『僕はマフィアです。
異論は認めない。殺しますよ。』
久し振りだ、此の感覚。
「…何処かで見た事あると思ったら…
お前、太宰って云うんだろ。ポートマフィアを抜けたっていう。」
『何の事ですか?』
「中也から全部聞いたんだぜ。
写真も見せて貰った。」
『はぁ…そうです。私は何年か前にマフィアを抜けました。
其れで、中也は何処なんです?』
「…多分、そろそろ…」
次の瞬間、上空から何かが落ちて来る。
『中也!?』
「紫の奴…
矢ッ張り中也の場所も適当だったんだな。」
「いって…
…太宰…?」
此の数ヶ月、ずっと探していた相棒の姿が其処にあった。
思わず頰を叩いた。
「手前何すn『心配したじゃない!
私が居ないのに汚濁を使うなんて…!』
其れは…」
『…君の事は大っ嫌いだけど、
昔も、今も、此れからも…君は僕の相棒で僕の…友人なんだよ!
僕はもう…友人を亡くしたくない!』
口調がマフィアの頃に戻る。
でも、そんなの気にならなかった。
「何、云ってんだよ…
何時もみてぇに俺に暴言吐けよ…
悪趣味な悪戯でも仕掛けて来いよ…
何で手前そんな…泣きそうな顔…してんだよ…」
『何、云うんだい…
君なんか、に…流す涙…なんて…』
「…悪かった、太宰。…ただいま。」
其れを節としたように、目からは止めどなく涙が流れた。
頰を伝う生暖かい感触。久し振りに泣いた。
「手前のそんな顔が見れるんなら、
異世界行くのも悪く無いなァ。」
「はぁ?…え?異世界?」
「そうだ、話す事が沢山ある。
首領にも話さねェと。」
「探偵社にもだよ。
敵組織の君を必死になって探して呉れたんだ。」
「…そうか。礼云わねぇとな。」
…数年振りに、中也の笑顔を見た気がする。
24人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくれーぷ。 - 綾音さん» 言葉足らずでした…申し訳無いです。なんかこう、イメージとしてはスライドしてって沢山の写真を見せてる感じです。分かりにくくてすみません! (2018年10月15日 12時) (レス) id: 830fe45671 (このIDを非表示/違反報告)
綾音 - まだ六話までしか見ていないのですが、とても面白いです!しかし、六話で出てくる写真のことですが、織田作がいるということは鏡花ちゃんは勿論、樋口さんやAもいないと思います…2つ写真がある、と言う設定ならすみません!これからも頑張ってください! (2018年10月14日 21時) (レス) id: be00f2b1a0 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ。 - 更新遅れてすみません(-。-;体育祭があったもので…でも、喜んで貰えたのなら幸いです(*゚▽゚*) (2018年9月9日 20時) (レス) id: 54a1816a2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - やったー!続きが出てる!ヽ(*^ω^*)ノ (2018年9月9日 19時) (レス) id: 07f01030e1 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ。 - ゆうさん そんなそんな!読んでくれるだけで嬉しいのにコメントまで…!本当にありがとうございます!!これからも更新頑張ります! (2018年8月22日 22時) (レス) id: 54a1816a2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくれーぷ。 | 作成日時:2018年7月31日 20時