魔法少女と重力少年。

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-side Marisa-

『んん〜。
矢ッ張り治癒魔法とか回復魔法は苦手なのぜ…』

彼の人は取り敢えず応急処置をして、
ベッドに寝かせた。

『傷口は塞がった…！良かったのぜ。』

後は起きるのを待つだけ…
其れにしても、此の人は外来人か？
こんな服、見た事無いのぜ。

『薬でも作って来るか…』

帽子を被って箒に跨る。
魔法の森を見回り、材料を探しに出掛けた。



-side Chuya-

物音がする。何の音だ…？

『ん…』

「お、起きたのぜ？」

目を開くと隣に金髪の少女が座っていた。

『嗚呼。此処は？』

「此処は霧雨魔法店。私のお店兼家なのぜ。」

霧雨魔法店…？
聞いた事ねェな…ていうか魔法って…

『俺は中原中也。手前は？』

「私は霧雨魔理沙。宜しくなのぜ！」

『嗚呼。』

俺は何で生きてるんだ…？
身体は痛むが傷は無ェし。

「い、痛むか…？」

『え？』

「いや、私が治したんだが…
あ、先刻薬を作ったんだ。一寸待ってて呉れなのぜ。」

そう云って奥の方に走って行った。
にしても…“治した”？“薬を作った”？
医者か何かなのか？

「此れ、呑んでみて呉れ。」

躊躇いはしたが、
毒の耐性はマフィアに居たお陰で付いてるから平気か、と
何も云わずに呑んだ。

『うおっ！？何だ！？』

いきなり身体が光る。
フッと身体が楽になった。

『ら、楽になったぜ…感謝する。』

「良かったのぜ。」

薄々勘付いてはいたが…
如何やら異世界なるものに来て仕舞ったらしいな。

『なァ、此処の地図とかあるか？』

魔理沙に持って来て貰った地図を見ると、
全然知らない地形。

「や、矢ッ張り中也は外来人なのぜ…？」

『外来人って何だ？』

「其の侭だが…幻想郷の外から来た人間の事なのぜ。」

此処は幻想郷っていうのか。

『恐らく俺は外来人らしい。
はァ…此れから如何すりゃいいんだ…』

「此処に住むか？」

…此奴本気で云ってんのか？
流石に年頃の男女が1つ屋根の下って…

『魔理沙に迷惑が掛かるだろ。』

「気にしないでいい。
私も1人暮らしだし、2人の方が絶対楽しいのぜ！」

満面の笑みで云う魔理沙。
そんな笑顔で云われたら、断れねェだろ。

『じゃあ、宜しく頼む。』

「宜しくな！一緒に住むから軽く自己紹介するぜ。
歳は19だぜ。好きな事は魔法の研究と実験！」

『じゃあ俺も自己紹介。歳は22。
好きなものは帽子と喧嘩、酒、音楽。
嫌いなものは…特に、無ェ…かな。』

此れから新しい生活が始まんのか…
人殺しとはかけ離れた日々が。

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