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日の出と共に準備を始めた鷹の目は、あっという間に船出した。
来る時も去る時も突然だった。
鷹の目の船が見えなくなっても、だんだんと光が強くなっていく朝焼けを眺めているAにお頭が近付いていく。
「おはよう、A」
「おはよう……じゃなくておやすみって言った方が良いかな？」
肩を竦めたお頭にAが笑みを浮かべた。
「挨拶しなくて良かったの？」
「ああ」
Aはちらりとお頭を見たが、すぐに朝焼けに視線を戻した。
「ゆっくりできたし、そろそろ次の島へ行こうと思う」
寝過ごしそうだからこのまま船出の準備をすると言うお頭にAが心配そうな顔をしていたが、まっすぐ朝焼けを眺めるお頭の顔は先程まで鷹の目と飲み明かしていたはずなのにスッキリしているように見えた。
「天気も良いし、船を出して落ち着いたらAも昼寝しようぜ」
「私も？」
「Aだってこんな時間から起きてたら昼には眠くなるだろ」
「……そうだね」
二人は顔を見合わせクスクスと笑いながら、顔を出した太陽を眺めている。
「次はどんな島かな」
「どんな島だろうなぁ」
お頭とAを取り巻く時間だけが、やけにゆっくりと穏やかに流れているような気がした。
食堂で眠気覚ましのコーヒーを淹れていると、ヤソップがカウンターに腰かけた。
「見たか？Aだって満更でもなさそうだろ？」
「……そうかもな」
「なら何も問題なくないか？俺達はもう受け入れてるんだぞ？」
「まぁ、Aが望むなら話は早いが……でも、そう簡単にはいかないだろうな」
散々引っ掻き回した鷹の目による効果か分からないが、この島へ来た日と比べてお頭とAを取り巻く雰囲気が明らかに変わったのは感じている。
しかし、お頭と鷹の目の手合わせを見てAは何か思うことがあるようだった。
「俺達は海賊で、Aは違う……何があってもその事実が覆ることはないんだ。
そんなことは妻子を残して海に出たお前が一番よく分かってるだろう？」
「………」
「これから先のことを決めるのはお頭とAだ」
不満そうに口を尖らせながらも、お頭とAの気持ちを一番に理解しているのは間違いなくヤソップだろう。
そして純粋に二人が上手くいくことを一番願っているのも、ヤソップだと思った。
「……上手くいかねぇもんだな」
本当にな、と返しながら飲んだコーヒーは何故かいつもより苦く感じたのだった。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
