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すぐに手を離し並んで歩き出した二人を見送っていると、鷹の目もしばらく二人を眺めていた。
「あれで赤髪の女じゃないのか？」
「「「………」」」
「お前達の誰かが？」
「いや、」
「赤髪以外にも気のある奴はいるようだが」
「……俺達も命は惜しいんでね」
鷹の目は本当によく見ている男だと思った。
「あの二人の約束を俺達が破るわけにはいかない」
「一時の衝動と失うもののどちらが大きいか比べるまでもねぇしな」
Aは良い女だ。
そんなことは全員がとっくに分かっている。
見た目は子供と大差ない姿だが、話していて楽しく隣にいて居心地が良い。
そんなAがベッドの上でどのように乱れるのか妄想したことのある奴も多いだろう(間違ってもお頭の前で口には出せないが)。
それでも、お頭がAに好意を持っているのはルウですら気付いているのだ。
いくら気があるからといって、わざわざお頭の地雷を踏みに行くようなバカな真似をする奴はこの船にはいない。
「お前もAも本気だって言うなら何も言わねぇが、お前の気まぐれにAを付き合わせるってんなら話は別だからな」
「風のような女だ、簡単にすり抜けていくぞ」
「「「………」」」
愛剣を持ち立ち上がった鷹の目にすかさず待ったをかけるが、昼寝だと言って島の奥へ消えていった。
「……まぁ、まだ戻って来ないだろうし放っておけば良いんじゃないか？」
「Aはお頭と一緒にいるし、大丈夫だろ」
「……そうだな」
ふぅと長く煙を吐き出しながら先ほど言われたことを考えていた。
「Aもずっと一緒に旅してぇなぁ」
ヤソップの言葉に皆が頷いていたが、この望みが叶わないだろうということは俺達も分かっていた。
海賊らしくさっさと奪ってしまえと思わなくもないが“大事にしたい”から、お頭はAの意見を尊重する。
Aは陸で生きる女で、俺達とは違うのだ。
海に連れていきたくないならAを陸に残して定期的に会いに行けば良いのではとも思うが、彼女の未来を縛りたくはないのだろう。
明日死ぬかもしれない男を待つ女の姿ほど惨めなものはない。
相手が海賊なら尚更だ。
Aにそんな思いをさせるわけにはいかないからと、そうやって自分を戒める度に想いは膨れ上がっていくことにお頭は気付いていないのだから本当にどうしようもない。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
