裏の私 ページ12
『貴方が島津裕太さんですね』
私が聞くと、その名前の主は振り返り私の顔をまじまじと見て
島「誰ですか」
と言った。
まぁ、そう思うのは当たり前だろう。
『私は小野寺A。この写真を見てください』
私はその人の前に携帯を掲げた。
写真を見た島津さんは、首を傾げる。
島「誰ですかこの人。てか、なんで俺のこと知ってるんですか」
彼は不審がって私を睨む。
その対応は正しい。誰しもそのくらいの警戒心はあったほうが身のためだ。
そして私は力を使う。
『貴方は明日の12時35分、この人を殺します。この人の家の住所はこれです。』
そう言って、力で彼を洗脳する。
彼はこの言葉を聞いた途端、金縛りにあったように動けなくなる。
島「な、なん………」
『ごめんなさい。あの人に目をつけられたら終わりなの。運が悪かった』
島「あ、ま…………て」
『私の名前も忘れる。貴方はもう逃れることはできないよ』
動けない彼に私は背中を向ける。
『じゃあね』
そして私は彼から立ち去った。
明日になれば、この人は殺人犯になって逮捕されるのだろう。
殺りたくもないのに体が勝手に動き、自分に殺しますと言った女の名前も顔も覚えてない。
警察に言い訳しても信じてもらえない。
そしてあの人の人生はどん底に突き落とされることになるだろう。
島津裕太という男は色々な人たちから恨みを買っていた。
そしてその人に殺せと命じた人物も、周りから恨まれている人だった。
私達はそういった人達を使って呪をかけたり、記憶を操作させたり調教させたりしてお金をもらっている。
ということはこの人を懲らしめてくれと依頼してくる人がいるということだ。
皆誰だって恨んでいる一人や二人いるだろう。
この世で一番恐ろしいのは人間だと私は思う。
『なんで超能力者なんているんだろう』
先生は言っていた。
力を与えられたものには、それを一生背負っていく責任がある。
良い方に転がるも悪い方に転がるも自分次第だと。
『じゃあ私は、悪い方に転がったってことなのかな』
私は歩きながら首を無意識にさすっていた。
【君は今、2つの世界の間で彷徨ってる。俺はもう裏の世界で生きるって決めた。君も表の世界とは縁を切ったほうがいい】
先生の言葉を不意に思い出す。
先生たちの世界と、影山くんたちの世界。
私はどちらに行くべきなのだろうか。
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桜餅(プロフ) - 暁さん» そう言って頂けると励みになります！嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月20日 8時) (
レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
暁 - お話がすごく面白くて続きが気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (2020年3月20日 2時) (レス) id: f42709c111 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます！嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2020年1月13日 20時) (レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - 面白いです！更新無理のないように頑張って下さい！！応援してます！ (2020年1月13日 10時) (レス) id: 07869dbeb9 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» いつもありがとうございます！少し間が空いての更新でしたが、楽しみにして頂けてるなんて感激です！これからもよろしくお願いします！ (2019年6月29日 11時) (レス) id: b9e517107b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2019年5月5日 17時
