入間銃兎の同僚です (ページ4)

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過去ページ4

そうして容疑者との面会が始まった。こいつが人の弱みにつけ込んで人生を狂わせて甘い汁啜ってた社会のクズか。こういう奴を見ると嫌でも自分の過去を思い出す。
私のたった1人の家族だった姉は私を進学させるために毎日休みなく働いていた。私がバイトをすると言っても
「大好きなAには好きなだけ勉強してもらいたいんだもん。」
と言われてひたすら働いた。
そんな二人だけで生きていたある日、仕事に行った姉は遺体になって帰ってきた。
姉は生活費を稼ぐためにクスリの仲介人をしていたらしい。心臓を刃物で一突きされ、動機は口封じのためだそうだ。
実行犯は捕まったがその背後には裏社会の人間がもっと関わっているとも言われた。私は悔しさでぐちゃぐちゃになりながら刑事に絞り出すように質問したのを鮮明に覚えている。
「姉を殺すように仕向けたクズは今も甘い汁を啜って生きてるんですか」
子供相手に刑事は言葉を濁したが、濁したという事はそれが事実なのだろう。
そしてそんな社会のゴミを消すために警察になった。Ｈ歴が始まってからは警察学校で出来た女友達は私を置いて中王区で働くほどに出世した。私は姉がクスリの仲介人だったからか、いつまでもヨコハマ署にいて現場で働きゴミを豚箱にぶち込み続け今に至るという訳だ。

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