【DQ11】亡国の悲劇

内緒にしてたこと ページ9

「いま……なんて言った？」

「だから、あの魔物三人衆の命は救われたと」

「な、なんで！ なんで知ってるの！」

ここは私の屋敷だ。きっと教会などで治療されてから運ばれたのだろうと思う。でも、だとしたらどうしてあの三人がここに？

っていうか、あの子達のことは私と王様と父さんだけの秘密にしていたのに！

「何故も何も、あんな魔物魔物した魔物がいたら誰だって魔物とわか……」「Aーーッ！」

ホメロスが突然早口言葉を言い出したかと思えば、突然ドアが開きスライムが飛び出してきた。

「ぶっ！」

「すまない、水を持ってくるだけだったのだが……何故か、彼らが着いてきてしまって」

「グレイグ、お前いつから魔物使いになった」

次に部屋に入ってきたのは右肩にももんじゃ、左肩にキメラを乗せたグレイグだった。

「ピギィッ」

顔面に張り付いたスライムを剥がし、続いて布団の上に乗っかってきたももんじゃとキメラをじーーっと睨む。

「……どーして人化してないの」

「うるさいもじゃ！」

「ぶぉふっ」

アオイムに続きミドンジャも顔面にダイブしてきた。ちょ、毛が！ 毛が口に入っ……「もじゃはとっても心配したもじゃ！ Aが生きてて良かったもじゃぁ……」

「ミドンジャ……ごめんね」

「生きてるし許すもじゃ！」

そっか、この子達は義理堅いし優しいもの。怒るのは当たり前か……心配してくれてありがとう。

そう思いミドンジャの毛並みをもふもふしていると、静かに寄り添ってきたキメラのキイメがボソッと呟く。

「一度死んだらしいな」

「もじゃ！？ まじもじゃか？」

「んと、こちらの二人が助けてくれたの」

ミドンジャを両手で掴み、グレイグとホメロスに向かわせる。

「ぼくこの人すきー！」

すると、今まで私のお腹の上でぴょんぴょん跳ねていた(割と重量があった)アオイムが、グレイグ目掛けて突進していく。

「うおっ！？」

それを彼は反射で受け止め、アオイムをぷにぷにと触りながら不思議そうに見つめ始めた。

「Aはいつも顔面でぼくをキャッチするから新鮮な感じがする！」

う、うるさいな。悪かったわね万年顔面キャッチマンで。

「もじゃはこいつの相棒になってやるもじゃ」

「ぐあっ！ やめんか！」

ミドンジャはホメロスの肩に乗り、その長い尻尾を彼の頭の上に乗せご満悦な様子。対してホメロスは歯を食いしばり怒りを耐えている様子……。

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