魔法の代わりに ページ31
目標の里は山脈の奥地に存在する。グレイグはルーラでデルカダールの兵がキャンプしているところまで飛び、ホメロスはユグノアの魔術兵隊を、私はユグノア弓兵・歩兵隊を引き連れて、挟み撃ちする段取りだ。
私達は二つ目のキャンプ地を過ぎ、襲ってくるモンスターを斬り伏せながら先へ進んでいく。
「モンスターが多くなってきたぞ」
キイメは奥を鋭い眼差しで見つめる。そろそろ里が近いようだ。
「ここら辺で軽く二手に分かれた方がいいもじゃか?」
「そうね」
「ああ」
私は里から見て北東に、ホメロスは北西に位置する。丁度グレイグからの通信で、彼らが南に到着したことが分かった。
「魔術第四師団! 東へ分かれA隊長と合流せよ!」
北からは歩兵達の侵攻、南からはグレイグ達が攻め入っている。ホメロスの指示が入った後、私はキイメに指揮権を委任しその補佐にアオイムを置いて、バフ・デバフ専門のミドンジャを連れ東へ向かった。
「ここで魔術結界を張るもじゃか?」
「ええ。彼らが来るまでに最低基盤だけは敷いておくから、その間にバフかけまくってちょうだい」
「了解もじゃ!」
動かす時は常に魔力を左腕に注がねばならないので燃費が悪いと思っていたこの義手だが、どうやら違ったようだ。
これは、ただ流れてきた魔力をそのまま消費するだけでなく、溜めている。その度合いは青い宝石がいくつ光るかで確認できる。
ホメロスめなんで最初に全部教えてくれなかったのよと今更ながら思うが、流石にこの歳になって一から十まで教わるのも、ねえ。
取り敢えず賢者の聖水をがぶ飲みして義手の宝石が全て光るまで魔力を注ぎ終えると、結界の第三段階まで完成していた。
「魔術兵が来たもじゃよ〜」
「いいタイミングね」
あとは彼らに最終段階の全体魔法を詠唱してもらって、こっちの作戦は完了だ。
ミドンジャのバフも全身に行き渡ってる。緑色の信号弾を放ってから、私は激しく交戦している里におりた。
――
「禍々しいオーラの魔物ばかり……」
「もじゃ達も、こういう奴らに襲われたりしたもじゃ」
「大して強くはないみたいだけど」
兵達が苦戦している魔物も含め斬っていき、感謝する彼らから回復薬をもらったりしながらも進んでいく。
「あ、あれはギガンテスもじゃか?」
ミドンジャがバフを掛け直しながら私に問う。
紫色の洗脳されたような瞳、大きな青い体。
目の前の魔物は苦しげに咆哮しながら、棍棒を振り下ろしてきた。
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ChocoLa(プロフ) - pirioさん» 魔物ブラザーズにクスッときました笑 そうですね……私のUndertale小説を読んで下さったらわかるんですが、(宣伝すみません!!)私の小説はよくキャラが死にます。(迫真) あ、そうですね!そうかもしれません。アオイムがグレイグ二号になる日も近いか……? (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» スマホから書いてるんですが、腱鞘炎になりそうです← ありがとうございます♪ いえいえ!カミュ夢書いてらっしゃる作者様ですよね?読んでいただけて凄く光栄です!!そんなことないですよ、よぼよぼさんの作品読ませていただいてるんですが、とても面白いです! (2017年9月25日 23時) (レス) id: 8909d06097 (このIDを非表示/違反報告)
pirio(プロフ) - え……魔物ブラザーズ(勝手に名付けてすみません)死んじゃったんですか、、。好きなキャラだったので悲しいです。あと紫苑の誓いでのグレイグって絶対バンデルフォンのこと思いながら言ってますよね。、ふあああなんか衝撃でした>< (2017年9月25日 18時) (レス) id: 31a4e1749a (このIDを非表示/違反報告)
よぼよぼ婆ちゃん(プロフ) - 今日、一気に更新したのですね!! 続きがこんなに読めて嬉しいです^^ この作品を読むたびに、自分の文才の無さがよく分かってしまいます(泣) (2017年9月25日 17時) (レス) id: b26a8ca70c (このIDを非表示/違反報告)
ChocoLa(プロフ) - 魔物入れちゃいました。。前作から読んで下さってありがとうございます〜>< あーでも魔物小説ないですね!自分擬人化とか好きなので魔物小説誰か作ってくれないかな()って思ってます()わたしの好きモンはキラーマシン2ですかね、めっちゃかっこいいですよね! (2017年8月27日 13時) (レス) id: 73c0835f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ChocoLa | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/mylist
作成日時:2017年8月24日 15時