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つまり、私はこのお店の看板娘でありながら、たったひとりの店員、ということになる。

「あんまり、無理するんじゃないよ」
「ありがとう、ございます」

じわりとその一言に、心を温められていた時。

突然、ガラララッッッ!!と、勢いの良い、戸を開ける音がした。

お客さんだ。
珍しい。いつもこの時間帯に来る人なんて、このおばあちゃんくらいなのに。

「いらっしゃいま―――」

そう思いながら入口を見やって、私は思わず、


目を疑った。


「おー!!こんなとこに茶屋あったんやぁあーー!」

瞳をきらきらと輝かせながら入り口に立っていたのはなんと、赤い髪をしたお侍さんだった。
しかもお侍さんはその一人だけではなかった。
茶髪、金髪、紫髪の方もいる。
四人はみんな、お揃いの白い羽織を着ていた。
あまりにも見慣れない服装のお侍さんたちだと思ったけれど、私が驚いた理由は、それだけではなかった。

(……か、かっこいい)

びっくりするほど四人とも、顔が整っているのだ。

「うるせえよ坂田。ここ、お店やぞ」
紫髪の方が、赤髪の方にツッコミを入れる。

「へぇ〜〜すごい、こういうとこ入んの、なんか久しぶりやわぁ」
金髪さんは、お店の内装に何故か感嘆しているようで、ほぉ〜〜と周りを見渡した。

「お前ら、もう少し静かに入れよ……ほら、お嬢さんもびっくりしてるだろ」
最後に入ってきた小さい茶髪さんは、冷静にそう言い放った。

お嬢さん。
その言葉にはっとして、私は入口のほうへと出る。

「い、いらっしゃいませっ!!どうぞお好きな席に…」
「おぉ〜すごい、べっぴんさんやぁ!!かわええ〜〜」
「えっ!?え、あの」
「いいから坂田、話を聞けお前は、人の話を」

あろうことか坂田と呼ばれた赤髪さんは、私の顔を見るなり私の手を取ってきた。

(……ふ、フレンドリーすぎる…!!!)

あたふたすることしかできない私を見かねてか、茶髪さんが坂田さんの肩を掴む。

すると坂田さんは、私の手を離した。

「すいません、こいつほんっとにうるさいし馴れ馴れしくて」
「えぇ〜〜〜そんな言わんでもええやん!ていうかうらさんお嬢さん言うたやろさっき。かっこつけぇ〜〜〜」
「……っ!うっせ、」
「あー、ちょっと赤くなったー」

参→←壱


ラッキーカラー

あずきいろ


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作者名:黒崎クロエ | 作成日時:2019年1月12日 17時

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