トリップしたらマークのテンションと合い過ぎて与謝野さんにまとめて踵落としされた【文スト】さよなら私の青春定理

『コメント返信完了マル！』敦「もう少し慣れてきたら、以前行ってたみたいなキャラが返信するやつ、再開したいよね」『そのほうがお互い楽しそうだしね！』 ページ32

敦が帰ってきたのは、それから10時間も後のことだった。

まわりに隠すように少女を抱え、自身も傷だらけになった彼に私達が絶句したのは言うまでも無い。


その後、軍警を見送った与謝野先生が遅れて帰宅し、ひとまず少女が目覚めるまで解散という運びになった。

事情が事情ということもあり、探偵社には与謝野先生を含め２名不貞寝の番をすることとなる。
3時間交代でのシフトが組まれ、当然Aも協力する流れになった。



早寝早起きがセオリーの私にとって、徹夜はあまり慣れているわけではないが…じゃあ私だけぐっすり寝ますなんてことは言えない。

言えるとしたら乱歩さんくらいだ。あの人はガチの自由人だから。
それに、頭脳担当がいざというとき眠くて使い物になりません、じゃあ話にならないし。









深夜の3時。

交代の時間になったので、少女が眠る診療室へ向う。


「あ、Aちゃん、ちゃんと起きれたんだね。良かった」

『や〜流石に。私起きないとザッキーがずっとここ居なきゃいけなくなるやん』


そう当たり前のことを言っただけなのだが、谷崎と与謝野は目を合わせて驚いた顔をする。


「A…成長したじゃあないか！」

「人の心が、ちゃんと育ってきたんだねぇ」

『もともとありますが！！！！！！』


なんだと思ってんじゃ私のことを！

心外である！という気持ちで言い返すも、二人はニコニコして私の頭をわしわしと撫でるだけ。
あー多分これ子供扱いだわ。


ちょっと照れくさい(褒められるのに慣れていない)ので、二人からサッと離れてベット近くの椅子に座った。





『目、まだ覚まさない？』


「ウン。たまに魘されたりはしてるんだけどね。
…そういや、敦の方はどうだった？やつの傷のほうが深かったはずだけど」


『あっちゃんはもう平気そーだよ。さっきお風呂覗いたけど、体に傷一つなかったもん』


「そうかい。そりゃ残念だねぇ」


「いや普通にスルーしてるけどお風呂覗かないであげてね！敦君も困るだろうからッ！！」





反応が可愛いから、ついつい…。

親父のようなことを言うAに、谷崎は呆れた目を向ける。
先程上げた株はここでチャラになったようだ。
世知辛いものである。

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