ページ94 追撃 ページ47
笑い声が空間に響く。
お互いに抱き合う者もいれば、肩を叩き合う者。
決意を改める者。さまざまだった。
「あ、そういえばルキナ。あたしたちはつまりどこらへんの時間に飛ばされるの?」
「ナーガ様は、ペレジアとの戦が始まる前だとおっしゃっていましたが…」
「まぁなんにせよ、原因のことが起きるまでには間に合うはずだ」
「そうね。…緊張するわ」
珍しく緊張を見せるセレナ。
自分がしっかりせねばとルキナはもう一度、意思を固めた。
「…なぁ、ルキナ。ちょっと」
獣の血が混じった少年が、ルキナを呼んだ。
彼は何やら難しい表情で唸る。
「どうしました?」
「いや…なんかさっきから音がするんだよ」
「音…?」
「うん、足音…みたいな」
人より耳が発達している彼は、皆が気づかないようなことにもすぐ気がつく。
裏を返すと極度の神経質なのだが…。
それは今回大いに役立つ。
「もしかしたら、追ってきているのかもしれません…あの人が」
「あの人って…やっぱり?」
「簡単に逃がしてくれる相手ではありませんから。みんな、早く進みましょう」
ルキナの一言に、皆はまた緊張を取り戻して足早に歩く。
このまま歩けばきっと出口に着くだろう。
そうすれば…。
「…トロン」
「…っ!?」
ルキナたちの頭すれすれのところを、鋭い雷が通り過ぎてゆく。
この魔力は…この魔法は…間違いない。
もう追ってきていたか。
「みんな、走って!」
仲間を叱咤し、全力で走る。
ただひたすらに、出口の光を目指す。
そうしている間にも次々とトロンは打ち出される。
距離が遠くて照準が合いにくいのが幸運か。
「ルキナッ…!ちょっとキツいわ…!!」
「頑張ってください…!あと少しです!」
追い続けていた光はすぐそこへ。
その時、どこから持ってきたのかギムレーは屍兵たちを放った。
「みんな、もう一度飛び込んで!」
出口の光に皆が飛び込むのを確認して、ルキナは後ろを振り返る。
その瞳でギムレーを睨みつけた。
「私たちは運命を変えます…覚悟なさい」
「あなたにはできない…ほら」
遠くで、甲高い女の子の悲鳴が聞こえた気がした。
…屍兵だ
「くっ…!」
また運命が絶望に染まるなんてあってはならない。
勢いよく、そこへ飛び込んだ。
素顔を隠す仮面をつける。
あちらの世界に出るまでの一メートルがやけに長く感じた。
目の前に映ったのは、木に追い詰められた少女。
ルキナは剣を引き抜いた。
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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時