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ページ90 聖なる光 ページ43

「くそっ…来たか!」

「ルキナ、戻って!!」


名を呼ばれても、ルキナは反応を示さない。

ただギムレーを見つめ、剣を構えた。

ギムレーはゆっくりと降下する。


「どいてください…」

「なら、私を倒してくださいな」

「…どきなさい!!」


威嚇するように強く叫び、ルキナはギムレーに飛びかかった。

攻撃はもちろん避けられる。

次へ…次へと攻撃を繰り出しても、その剣筋は読まれて当たらない。

なんで…どうして…!!


「ルキナ…!」

「…剣が荒れているな」

「え?」

「気持ちが高ぶっているのだろう。あいつらしくないな…」


ルキナの周りに集まろうとする屍を倒しながら、ジェロームは分析する。

それはそうだろう。

すでに聖王としての責任を抱えている上、今度は世界の命運までも…。

とても耐えられるものではない。


「どうすんのよ…。早く神殿に行かなきゃまずいんじゃないの!?」

「…やるか。セレナ、聞け」

「うん。…わかったわ」


ジェロームは戦いながら皆のもとを周り、作戦を伝えてゆく。

皆はそれに同意した。


「よし…行くぞ!」

「はあああ!!」


まずはギムレーの視界を遮るために、ロランがルキナとの間に、魔法を放つ。

直後、ジェロームがルキナのもとへ竜を飛ばし、胴を引き寄せた。


「なっ…ジェローム!?なにを…」

「いいから行くぞ!」


ルキナを後ろに乗せ、竜ごと神殿の中へと入る。

無礼だとはわかっているが、緊急事態だ。

ペレジアの祭壇とは全く別のオーラを醸し出す、ナーガの神殿。

その静かな雰囲気に、ルキナも次第に落ち着いた。


「…ありがとうございます、止めてくれて」

「礼ならあいつらに言え。外で相手をしている」

「そんな…危険です!」

「なら早く儀をするんだな」

「…そうですね」


ルキナは前へと出て、神殿に呼びかける。


「古の神、ナーガよ。我は汝の子となるを望む者…我の前に姿を現したまえ!」

「……」

「神竜ナーガよ。我は覚醒の儀を行いし者…我の前にどうか姿を!」

「……」

「だめか…?」


いくら呼びかけても返答はない。

まだ眠っているとでも言うのだろうか。

竜の呼び出し方など分からない。

どうすれば…。


「お願いします…ナーガ様!どうか…どうか私たちに希望をお授けください!!」

「…本当に希望を望みますか」


直接、頭に流れ込んでくるような透き通った声がルキナに届いた。

ページ91 覚醒の儀→←ページ89 虹の降る山で


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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

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