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ページ85 圧倒的 ページ38

「な…ゔあっ!!」


魔法の反動で宙を飛び、ジェロームの懐に風魔法を叩き込んだ。

人間に対してはさほど害はないが、飛竜は違う。

羽を傷つければ、落ちる。

もちろん、その背に乗る人間も。


「ジェローム!」


魔法で助けようとしたロランの足元に、同じく風魔法を連続して放った。

避けられたが、これで手助けが遅れ、ジェロームとその飛竜は地に叩きつけられる。

彼の咳き込むような声が聞こえた。

ジェロームを狙ったのは、最初に高機動の兵を減らすためだ。

その方がこちらがさらに有利になる。

次は…魔法と回復ができるロラン。


「トロン!」

「くっ…レクスカリバー!」


ロランはジェロームを助けるために前に出ていたので、距離を詰めやすい。

魔法を打ち合いながら接近し、その土煙を利用して姿をくらませた。


「ロラン…!後ろ!!」

「…うぐっ!?」


ルキナの声で思ったよりも早く彼が反応したため、魔道書の角を使って殴った。

後頭部に叩きつけたので、しばらくはフラフラしてまともに立てまい。


「ジェローム…!ロラン…!」

「な、なんでいきなり強くなってんのよ!」


残る二人は剣使い。

なのでこちらも剣を抜き、構えた。


「あなた方も多く戦ってきたのでしょうが…それは屍兵だけのこと。人と戦った経験はないでしょう」

「……」

「私はあなた方より知識と経験が勝る…。さぁ、これでもまだ抗いますか?」


嘲笑うようにして微笑むと、セレナはぐっと身構えた。

ルキナは…。


「…それでも…諦めません」

「……」

「あなたがなぜこんなことをするのか分かりませんが、私が正気に戻して差し上げます」

「正気に?…出来るものならやってごらんなさい」


キィンッと甲高く剣が鳴る。

セレナの剣と、ギムレーの剣が擦れ合う。

はたから見ればか弱い少女に見えるが、彼女もなかなかの手練れだった。

大人の力に負けていない。


「セレナ…!」

「やりますね」

「そっちこそ、なめんじゃないわよ」


ルキナが手助けしようと前に出ると、セレナがそれを視線で制す。


「さっき髪を切られた仕返しが済んでないわ。いいから任せなさい」

「でも…」

「任せろって言ってんの。どうせ皆もすぐ帰ってくるから。…あんたは二人の手当てを」

「…わかりました」


セレナの気迫に負けて、ルキナは下がった。

その間もギリギリと刃は鳴り続ける。

この持久戦は、とある呼び声がするまで続いた。

ページ86 逆転→←ページ84 4対1


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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

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