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ページ82 防衛戦 ページ35

ギムレーの体のはるか下、城門の前にルキナたちの姿が見えた。

ファルシオンを持ったルキナと、赤毛の剣士。

ギムレーより遥かに小さな竜を操る者に、リズと同じような格好をする者。

それから、多くの王城兵たち。

戦う準備はできているようだ。

しかしルキナたち4人以外の兵らは、あまりの敵の大きさに腰が引けている。

…奴らに勝ち目はない。


「…さぁ、来てください。ルキナ」

「…っ…」


気持ちを揺さぶるために、母の声で話す。

ルキナは強く剣の柄を握り俯いた。


「ルキナ…ちょっと大丈夫なの?」

「はい…あの方はお母様ではありません…から。…全軍…突撃です!」


ルキナがそう叫び、兵たちはギムレーに突撃する。

距離が離れているからか分からないが、彼らの進軍はとてもゆっくりに見える。

怯えているのか。

ルキナと他の3人は進軍してこない。

やはり将であるからには、迂闊に動けないのだろう。それから護衛も必要だ。


「…ふふっ」


兵たちがルキナたちと一定の距離離れたその瞬間、本体の体を動かした。

頭をこちらへ向け、照準を合わせる。

直後ブレスが吐き出され、兵たちに降りかかった。

離れているので、ルキナたちには届かない。

土煙が過ぎ去れば、そこは死屍累々の状態。

誰一人として生存者はいない。


「なっ…!たった一息でだと!?」

「嘘でしょう…?こんなの…」

「勝てるはず…ないわ…」


3人はそれぞれ絶望を感じ、ルキナだけがギムレーの瞳を見据えていた。

聖王の…目。

イーリスの王族…聖王の血を引く者に規則的に現れるという紋章。

それがルキナの瞳にはあった。

竜の血を得て視力が強くなり、よく見えた。

髪と同じ青に輝くその瞳は、まだ揺らいでいる。


「どうしました…終わりですか?」

「…ルキナ、下がってなさい」

「セレナ…?」


赤毛の剣士が、ルキナの前に立った。

彼女もまた、揺らいだ瞳で。

決心のつかないなりに、国の…自分の主を守ろうと必死な瞳で。

ギムレーを見る。

他の二人も同じようにして立った。

絶望はした…しかし諦めるわけにはいかない。

そう…瞳が語っている。





…気にくわない。


「どうせ…他のみんなが来るまでの時間稼ぎなの」

「宝玉を持ち帰れば、平和になります」

「覚醒の儀を行うまで…」



「ルキナを守る…!!」



得物を握りしめる3人。

ここまで諦めが悪いなんて…昔の誰かのよう。

いいではないか…なら、先にそのお仲間を…



殺してやる。

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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

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