ページ61 脱出作戦・ニ ページ14
「やっぱり…根源はアレだったんですね」
「何?」
「私が壊したクリスタルですよ。それが呪縛の原因で、壊した衝撃で爆発が起こったんです」
「アレはお前がやったのか?…はぁ、全く無茶をする奴だな」
「えへへ…」
クロムから武器を受け取り、二人はとりあえず祭壇の部屋を出た。
兵が案内していった方向を目指して走りながら、軽く状況を説明する。
クロムが無事なら、皆も呪縛が解けているだろうし、誰かの声が聞こえるだろう。
「皆さーん!どこですか!?」
「Aさん…?あ、お兄ちゃん!!」
「…リズ!」
聞き慣れた声がして顔を向けると、リズたちもこちらに走ってきているところだった。
皆、目立った外傷はない。平気なようだ。
「大丈夫ですか!?」
「うん!なんか縛られてたんだけど、急に治ったの。見張りの兵は倒してきちゃった」
「そうですか…良かった」
信じていた。信じていたけれど、やはり心配だったために心から安堵した。
しかし、それだけで安心はできない。
仲間が揃ったとはいえ、ここは敵の最大の砦の真っ只中である。
敵が大勢を整える前に逃げなければならない。
「いいですか、皆さん!ここから脱出します!皆、はぐれないようにしてください」
「A、俺が先頭を引き受ける」
「わかりました。…クロムさん、その炎の台座。気をつけてくださいね」
「…これのことか?」
「はい。どうやらそれを狙っているようです。あとは…私を」
「わかった。必ず守る。台座も…お前もだ」
クロムの真剣な声にAは微笑んで、もちろんです。と答えた。
「守ってくれなきゃ困りますよ」
「あぁ。…行くぞ!」
Aは信じていた。仲間を、クロムを、自分を。
その信頼が壊されることも知らずに。
これが仲間との最後の戦になるとも知らずに。
脱出作戦は結果から言えば、失敗だった。
敵の準備が予想よりもかなり速く、場所になれないこちらはすぐに追い詰められた。
またもや…あの祭壇の部屋へと。
「クロムさん、マズイです!この部屋に近づいてはいけない…!」
「何かあるのか?ここは…」
「この部屋で儀式をされたら…。私は…死にます」
「な…!本当か、A」
「えぇ…はやくここから出ないと…!」
「そうはさせんぞ、Aよ」
祭壇の上で、ファウダーの声が冷たく告げた。
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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時