弟レンタルしました。【JK】

特別に特別な日 ページ18

最後にしよう


そう思ってグクを予約した。
いつもよりずっと長い時間。写真も撮ってもらおう。後日もらえるらしいから。

今日で最後だと思うと、グクと出会ってからのことが思い出された。

たった2ヶ月に一回の付き合いだったけれど、幸せな時間を沢山もらった。
それこそ、普通は絶対にお金で買えないような時間を。


「ヌナ！」


いつもより弾んだ声が私を呼んだ。ぴょんこぴょんこ跳ねて私まで駆け寄ってきたグクは、何故だろう、いつもの147896436倍かわいい。

そしていつもよりキラキラしている。


「グク、なんかかわいい」
「ヌナはかわいい僕が好き？ それともかっこいい僕の方がいい？」


なんだこの生物天使か。
と、心の声が漏れそうになるのをぐっっと抑えて、「どんなグクでも大好きだよ」と答えた。

そしたらきっと笑ってくれると思ったから。

けれどグクは少し考えるそぶりをして、うんうん唸る。どんな自分にしようか迷っているのだろうか。かわいいな。


「今日はいつもより長くいられるから嬉しい」


ニコォ、
はちみつが溢れるような笑顔に、ドロドロに甘い気持ちになる。

甘やかしたくなるし可愛がりたくなるのは相変わらずで、久しぶりだから余計にそう思ってしまう。


「私も」
「ヌナ、今日もいっぱい遊ぼう」
「海とか行ってみる？」
「いく、いきたい！」


最後、だから。




彼と会う日はいつだって特別だったけれど、今日は特に一番の日にしたかった。

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