検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:353,986 hit

雨の日 ページ12

ボーリングをして、ご飯を食べて。

夕日が空に滲む。このオレンジが私は好きだったのに、最近では少しだけ嫌いだ。
グクとの別れの時間帯だから。

別れる時もいつもの公園で、言葉だっていつもと同じ。また、1人の夜が来る。


「それじゃあ気をつけてね」
「さようなら」


何度見ても綺麗なお辞儀だな、とぼんやりと思いながら、返ってくることのない背中に手を振る。
このまま1人になるのは何だか嫌で、誰か呼びつけてやろうと携帯を取り出した。

が、固まってしまう。

ジミンも休日はゆっくり過ごしたいだろうし、これから家に誘えるような友達は近場にはいなかった。
もう少し延長するんだった。

あと一時間くらいなら料金も痛くないし、そうしたらご飯くらい食べられたのに。


ああ、なんてサービスを受けてしまったんだ。
もう戻れない。グクが辞めてしまう可能性もあるのに。


ぐるぐると心の中が掻き乱れる。雨の日はいつもこうだ。家族がいなくなった日を思い出すから。
嫌な気持ちや不安に押しつぶされそうになる。泣きたくもないのに泣いてしまう。

気づけば誰かを求めていて、私は、躊躇っていたはずなのにジミンに電話をかけてしまった。


「……ジミン」
『A? どうしたの。今日レンタルしてたんじゃないの?』
「さっき終わった。……ジミン、」
『いまどこ? 会おうか』
「……ううん、電話だけでいいよ」
『僕がAに会いたいから。家いっていい?』
「ごめ、」
『謝らないでいいから』


いつまでも甘えてちゃダメなのに、事情を知る人はこういう時に気遣ってくれて、心が救われる。

本当はグクにだって全て話したかった。内緒で連絡先も交換したかった。でもそれは許されない。


そもそも私にとっては大好きな弟だが、グクにとってはただの依頼主だ。ここでもう感情の差がある。



欲しいものは、いつだって手に入らない。

誰にも埋められない→←虚偽の空間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (819 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1120人がお気に入り
設定タグ:BTS , ジョングク , 防弾少年団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。