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白馬ではないけれど ページ28

修能試験の日、家を出るとグクが玄関の壁にもたれていた。マフラーに埋めていた顔を上げ、「おはよ」とかすれた声で言う。


「おはよう。どうしたの?」
「どうしたの、って……まあ、大事な日だし」


よ、っともたれるのをやめて私の前まで来ると、グクは手のひらをすっと差し出した。少し赤い手のひら。私よりずっと大きい。

よくわからなくて首を傾げると、無防備に体の横に垂れていた手を取って両手で包み込んだ。じんわりとつたわるぬくもりに、不思議と力が抜ける。

思っていたより緊張していたのかもしれない。


「俺頭良くないけど、体は強いから。なんか、注入しとく」


ぐぅうっと力を入れて握られて、祈るようにグクが少し頭を下げるから、私よりも必死になってくれて嬉しくなった。


「うん、ありがとう。体調悪くならない気がする」
「絶対大丈夫、保証する」
「ふふ、うん、信じる」


さっきよりもずっとポカポカする体はジョングクのおかげなのだろう。曲がり角で見えなくなるまで大きく手を振ってくれるグクに、私も限界まで手を振って、ぐっと前を向いた。

.



修能が終わった。
うまく解けなかったのか泣いている子もいたし、友達と答え合わせをしている子もいた。そんな中、ほっと胸を撫で下ろして鞄を持って会場を出る。

出来は良かったと思う。引っかかった数問はあったが、ほとんど理解ができたから。

グクからの「どうだった」というメッセージに「多分大丈夫」と返すと、ウサギが踊り回るスタンプが送られてきた。

会場の出口に近づくにつれて、なんだか女の子の声がよく聞こえ出した。大きな試験もひと段落したし、息抜きも兼ねてお喋りでもしているのだろうか。

なんとなくチラリと良く声が聞こえる方に目をやる、と。


「おかえりAちゃん」
「テヒョンさん、」
「うん。へへ、迎えにきた」


あの日の翌日。


あの夜の次の日、高校の門のあたりで待っていたのと同じように、テヒョンさんはバイクに軽く身を預けて立っていた。

そうだ、これが恋だった→←愛しさを抱きしめて



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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時

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