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マイヒーロー ページ14

家主のナムジュンさんが玄関に向かうと、「おわ!」と声が聞こえて来て、ホソクさんと首を傾げた。

そのあとドタドタと忙しない足音がして、シャツが半分ズボンから出ているテヒョンさんが顔を出した。
ボタンもかけ間違えている。


「テヒョンさ、」


椅子から立ち上がって彼のもとへ一歩踏み出して。そうしているうちに、いつの間にか彼の腕の中にいた。ドッドッと激しく波打つ鼓動は私のものか、彼のものか。

どうしたらいいか分からなくて動けないでいると、テヒョンさんの指が背にぐぅっと食い込んできた。同時に心臓が握られるような感覚に襲われる。


「電話してくるなんてよっぽどのことがあったんだろうと思って、急いで来ちゃった」
「ごめんなさい、ホソクさんとナムジュンさんに聞いてもらって、もう大丈夫になりました」


申し訳ないと思ってそう伝えたが、テヒョンさんはふに落ちない顔をしてホソクさんとナムジュンさんに視線を向けた。


「ヒョン、Aちゃん連れて帰っていいですか?」
「え、俺は別に……。どこ行くんだ?」
「公園です」


なんで、どうして、はそれ以上なかった。ただ、ナムジュンさんはブランケットを手に取ってテヒョンさんに渡してくれた。


「寒いから風邪だけはひくなよ」
「はい。へへ、ありがとうございますヒョン。またちゃんと返しに来ますから」
「うん」


するりとテヒョンさんの綺麗な手が腕を下りて、指と指が絡められた。突然の恋人繋ぎにドキドキしながらそっと握り返した。


「お二人ともご迷惑おかけしました。いろいろ聞いていただいてありがとうございました」
「いいよ、また何かあったらうちに来ればいい。ホソクがご飯つくってくれるから」
「俺頼み? まあいいか。うん、いつでも頼ってね」


最後に頭を下げて、ナムジュンさんの家を出た。




息を吐くと、もう白くなる季節、だ。

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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時

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