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追い追われ ページ13

「出な。テヒョンだろ?」

ナムジュンさんに促され、表示を見るとテヒョンさんで。手に取ろうとしたら通知が止まって、メッセージが来た。

──どこ
──早く出て

心配させてしまったと思い私から電話をかけると、コール音が鳴り出してすぐに『Aちゃん!』と声が響いた。
泣きそうになって震える唇と声がバレないように、必死に抑え込む。


「テヒョンさん」
『うん。ごめんバイトだった。今どこにいる?』
「いえ、大丈夫です。ええっと、ナムジュンさんの家に、」
『すぐいくからまってて』
「え、」


テヒョンさん、と名前を呼ぶ前に電話が切られてしまった。勢いの良さと、会ってくれる嬉しさが混ざって呆然としてしまう。
ホソクさんとナムジュンさんが心配そうな目で私を見た。


「あいつ、何だって?」
「すぐに行くから待ってて、って……」
「お、じゃあテヒョンもここに来るんだな」


コーラあったっけ、とナムジュンさんは立ち上がって冷蔵庫を開けた。

テヒョンさんはコーラが好きならしい。ちらりと見えた冷蔵庫の中にはいろんな飲み物が入っていて、そこにナムジュンさんの優しさが詰まっているように感じた。


「よかったね」
「え?」


目を細めて、にっこりとホソクさんは笑ってくれる。優しい声色とその笑顔は、お兄さんという感じがして安心できる。


「テヒョンに会いたかったんでしょ?」
「……はい」
「やー、なんか新鮮。テヒョンはいつも追いかけられる側だから。マイペースでふわふわしてて、掴みどころがなくて。それが今、Aちゃんのこと追いかけてるんだもんなあ」


にっこり、という笑顔から、にんまりと「面白い」というような笑顔に変わる。
追いかけられているのだろうか。いや、私の方が必死だ。テヒョンさんを引き止めるために。

私はもうすっかりあの人のものかもしれないけれど、あの人は私のものではないから。ホソクさんの言う通り、少し不思議なところがあって掴みどころがないから余計にそう。


優しい人だから、弱っている人や頼られると断れないような、そんな気がする。誰に対しても。
テヒョンさんの優しさは、多分みんなのもの。

……なんて言い方は少し悪いかもしれないけれど。




考えすぎて暗い思考に陥りそうになった時、来客を告げるチャイムが鳴った。

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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時

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