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テスト返しもときめく重症 ページ1

「ァア……おかしい……ホルモンあんなに覚えたのに……全部書けてるのに練習プリントと配置が違うだなんて……」

「これだから文系は。すぐ暗記に頼る」
「これは! 暗記したら取れるものでしょ!」
「まあ今回はAの注意不足だよね」

返却された定期テストの生物の結果はそれはもう散々で。友達であるジヒョは平均点プラス20点の解答用紙を私の前でぴらぴらと振ってみせた。

ド文系である私は、生物は暗記ものだからととりあえず練習プリントと配置を暗記したのだ。それはもう完璧に。

そんな自分を信じきっていた私は、テスト当日に配置が変わっていると気づくことなくルンルンとシャーペンを走らせたのだった。


「ホルモンとこ半分以下のやつはプリントもう一回の刑な。白紙のやつ前にあるから取りに来い」


教壇で何枚かのプリントの束を見せるのは、生物のミンユンギ先生。肌が真っ白で体の線が細いから、第一印象は「儚い」だった。

けれど発せられる声は低くて気だるげで、いくつも空いたピアスの穴を見つけた時、そのギャップに胸が高鳴った。


「先生私のこと見逃してくれません?」
「お前だけだぞ全問不正解」
「プリントのままなら合ってたのに!」
「数問は誰か引っかかるだろうなって思ったけど全問は前代未聞だわ」


クックッとユンギ先生が笑うから、こうやってみんなの前でいじられるのも嬉しい。

……だなんて、惚れた側の弱みだよな。

空欄の並ぶプリントを取って席に着くと、ジヒョが良かったねというように親指を立ててくれた。

先生が好き、だなんて、馬鹿だなって自分でも思う。けれど好きになってしまったものは仕方がない。

はじめは仲のいい先生という程度だったのに、先生も私を気に入ってくれてるのかな、と思うようになったら段々と「好意」は形を変えた。



黒板の前でチョークを持ったまま教科書を開く先生を見て、今日も「好きだな」と思う。

どんくさいに万歳→



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ちよ(プロフ) - 飴さん» ありがとうございます! 穏やかでほんわりした甘いお話にしたかったので嬉しいです( ; ; )! (2020年5月5日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぽかぽかして心あったまるお話でした! (2020年5月3日 9時) (レス) id: a89f62ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 岩本菜那さん» 何か新しい妄想がパッと浮かんだらここに番外編書きにきますね( ˘ω˘ )! (2019年10月3日 13時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
岩本菜那(プロフ) - 続編凄い見たいです!! (2019年9月30日 16時) (レス) id: 60aae2806b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - いさなさん» ひょえー!!!! ありがとうございますー!!!! (2019年9月30日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年9月7日 20時

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