振り向いて、ユンギ先生

なんてこと ページ10

聞いてしまったなあと思いながらちらりとソクジン先生を見ると、大きな目をより大きくさせた後、職員室にいる人全員に聞こえるくらい大きな声で笑い始めた。

この人の笑い声、なんか何かに似てるんだよな。よく聞く音。

いやそんなことどうでもよくて、ユンギ先生までこっちを見ている。


「ちょ、ソクジン先生笑いすぎです！」
「やー、ごめんごめん。可愛くてつい」
「かわっ、」
「健気だねえAさん」


にんまりとした顔。今日だけでいろんな表情を見ている気がするし、私もいろんな面をぶちまけていると思う。


「教師って言っても人それぞれだからね」
「そうですよね、」
「でも長年の付き合いである僕的に言わせてもらうと、」


聞こえないように配慮してか、ぐ、と近まる距離。口元に人差し指を当てながら、ソクジン先生は口を開いた。



「ユンギはAさんみたいな子の方が気にかけたくなるタイプだと思うよ」



あいつ結構面倒見いいからと言うソクジン先生の顔をまともに見れない。

いやだって、本当に先生は私を喜ばせすぎてるから。
今日は足取り軽く帰れそうだ。




「あ、ユンギ」
「え」


恐る恐る顔を上げる、と。
まぎれもないユンギ先生が、椅子に座っている私たちを見下ろしていた。

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