振り向いて、ユンギ先生

ソクジン先生質問です ページ9

「この図だとどう？ わかる？」
「あ……！ わかります、わかりました！ 先生、この図いただいてもいいですか？ すっごくわかりやすくて！」
「どうぞどうぞ。そんなによかったんなら次解説から入ろうかな」


ソクジン先生に質問するつもりではなかったが、授業でわからないところがしっかり聞けてよかった。
先生お手製の図には、アルパカやら猫やらの動物が書かれていてかわいいし、なんだか得をした気分。


「お前わざとやってるだろ」
「えへ、バレた？」
「えへじゃねえ次終わらせらんなかったら俺もう帰るから」


す、と耳に入ってきた会話にちくりと胸が痛む。


私、犬気質なのだろうか。褒められたくていつも単純に行動してしまうけど、あれくらい策士ぽくしたほうがいいのだろうか。

はあ、とため息をついたとき、ぱちりとソクジン先生と目が合った。


「ユンギ気になるんだ」
「えっ」
「見すぎ」


分かりやすいなあ、と笑うものだから、そんなに顔に出ていたのかとまたもノートで顔を隠してしまう。

そうしたら「もう見ちゃったよ赤い顔」とケラケラと先生は可笑しそうに声をあげた。
そっとノートを顔の前から外して、もう恥もすてて小さな声で聞いてみた。


「あの」
「うん？ ああユンギ彼女いないよ」
「そ、そうじゃなくて。その、やっぱり先生って、手がかかる子のほうが可愛いですか？」

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