プリン ページ33
***
侑李「なによ。それだけで赤くなるなんて
本当に面白い。」
「あ、当たり前です!」
.
私は長年知念さんのファンだったのだ。
その人がアレを買うのを見てしまえば
誰だってそうなる。
…でも。
.
侑李「だからここで待って…」
「……大丈夫、です!遠くから見守ってますから。」
.
そんなことで恥ずかしがってる場合じゃない。
私はぎゅっとグーの手の形を作って
身長差のない知念さんを見上げて。
.
侑李「大貴の言う通りストーカーだね。
赤の他人なら間違いなく通報してるよ。」
「うっ…」
侑李「冗談に決まってるじゃんか。」
.
肩をすくめてクスリと笑う知念さん。
私はホッとして、すみませんと小さく言って。
.
侑李「いや、そっちじゃなくて…」
「え?」
侑李「たしなみ…そっちが冗談。」
「えぇ!?」
.
私の大きな声に、店にいた数人が
迷惑そうにこっちを見る。
私は彼らにごめんなさいと頭を下げて
そして、知念さんに視線を向けたとき…
.
侑李「くくっ…!」
.
ま、また笑ってる…
しかも、またからかわれた…
必死で押し隠そうとはしているけれど、
笑いを堪えているのが、伝わってくる。
.
「ちねんさん…」
侑李「やっ、ごめんごめん…ほんと…面白くて…」
.
笑いを堪えるのがしんどいのか、
苦し紛れに言い放つ知念さんをつい睨んでしまう。
そんな私に、知念さんはごめんってもう一度謝って。
.
侑李「お詫びに何か買ってあげるから。」
「何か、とは…」
侑李「アイスとか?」
「……プリンがいいです。」
侑李「ふふ、はぁい。」
.
素直に言う私に、クスクス笑いながらも
ちゃんと買ってくれる知念さん。
.
侑李「はい、どうぞ。」
「わぁ…ありがとうございます!」
.
コンビニを出て差し出されたプリン。
知念さんは微笑ましそうにこっちを見ている。
.
あぁ。
ついさっき知念さんを護るって固く決心したのに。
しかも私はいい歳した大人なのに。
.
つい知念さんのペースに呑まれて
簡単に満面の笑顔なっちゃうなんて、不覚だ…
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ahr(プロフ) - 本当にめちゃくちゃ感動しました…！！素敵なお話ありがとうございます^ ^ (2022年7月5日 22時) (
レス) @page49 id: bfc2ddf8fe (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - まーさん» 初コメントありがとうございます!感動してくださってこちらこそ嬉しいです（；＿；）素敵なコメントありがとうございます! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» こちらこそ、今年もお付き合いいただきありがとうございます!来年、、時間作ればまた作らせていただきます( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - いくさん» こちらこそコメントありがとうございます \(( °ω° ))/ このお話で感動してくださったようで嬉しいです! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - 初コメント失礼します。描写が具体的で、すっごく引き込まれました！でも、最後に近づくにつれて涙が込み上げて来て、、、 面白かったし、めっちゃ泣きました！ほんとうに、良い作品、ありがとうございます！ (2021年12月3日 17時) (レス) @page45 id: 2c3bd810a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりも
| 作成日時：2021年11月21日 7時
