*8日目 ページ34
***
侑李「…あの、Aさん。」
「は、はい!」
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公演2日前。
実際に会場に入って立ち位置を確認するHSJの皆さん。
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侑李「ちょっと離れてくれません…?」
「あ、す、すみません…!」
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背後を護るように私は彼らの周りをキョロキョロするけど、
知念さんは控えめに眉を顰める。
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昨日は子ども扱いされて警護らしいことは出来なかったけど
今日もちゃんと知念さんを護らないといけない。
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日に日に近づいてきてる“あの日”。
本当なら中止にしてほしいけど、こんな真剣な彼らを
間近で見たら、そんな酷いこと言えるわけない。
それならと、知念さんから離れないようにしていたけど
私は邪魔者でしかないし…
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「休憩30分入りまーす!」
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スタッフさんの声かけに、楽屋に向かうHSJの皆さん。
私は慌ててその後を追いかける。
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「お疲れ様です。どうぞ。」
侑李「ありがと。」
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タオルを渡して、受け取った知念さんは顔に擦り付け。
飲料も渡せばゴクゴクと気持ち良く喉を鳴らしてくれる。
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ここ最近、マネージャーとしての仕事は
ほんの少し出来てる気がする。
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知念さんが何を求めてるのか聞かなくとも
何となく分かるようになった。
例えるなら、昭和の亭主関白並の
“おい”や“あれ”で通じるもの。
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そんな私たちを見て、中島さんは感心したように
ほぉ、と口を開く。
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裕翔「ちぃちゃんをここまで扱えるなんてすごいねぇ。」
「そう、ですか?」
雄也「しかも完璧に打ち解けてるみたいだし、珍しい…」
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二人の言葉につい頬が緩んでしまう。
だから私はきゅっと口の内側を萎めて
にまにました口角を頑張って隠す。
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「え、へへ…恐れ多いです。」
裕翔「あはは。確かにそうだけど…」
「うぐっ…」
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中島さんの真っ直ぐな言葉に
グサッとくる。
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そういえば、そうだった…
中島さんはとてもいい人だけど、
嘘を付かず、ストレートに言う人だった…
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裕翔「ど、どうしたの?大丈夫?」
「お、お気になさらず…」
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楽屋に着き、がっくりと項垂れる。
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首を傾げる中島さんに
私は、あははと乾いた返事。
中島さん、本気で心配してくれるから
何も言えない…
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Ahr(プロフ) - 本当にめちゃくちゃ感動しました…!!素敵なお話ありがとうございます^ ^ (2022年7月5日 22時) (レス) @page49 id: bfc2ddf8fe (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - まーさん» 初コメントありがとうございます!感動してくださってこちらこそ嬉しいです(;_;)素敵なコメントありがとうございます! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» こちらこそ、今年もお付き合いいただきありがとうございます!来年、、時間作ればまた作らせていただきます( ´ ▽ ` )ノ (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - いくさん» こちらこそコメントありがとうございます \(( °ω° ))/ このお話で感動してくださったようで嬉しいです! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - 初コメント失礼します。描写が具体的で、すっごく引き込まれました!でも、最後に近づくにつれて涙が込み上げて来て、、、 面白かったし、めっちゃ泣きました!ほんとうに、良い作品、ありがとうございます! (2021年12月3日 17時) (レス) @page45 id: 2c3bd810a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2021年11月21日 7時