一宮妹の愛物語-1-

#1 BBQ ページ1

朝、ぼんやりと朝日の明るさを感じて、横を向いたまま目を開けるとそこに人影





おはよ、起きた？





耳に馴染んだ、好きな声







毛布を引き上げて、顔をかくす。


昨日は撮影で日付を超えるまで名古屋にいて、ロケバスで帰宅。そして仮眠をとって今。きっとひどい顔をしている。



私の反応が無かったからか、ベッド際に近づく音がする。


これ以上整ってない状況に近づかないで、、、

そんな気持ちで、目元まで布団を下げて、返事をひとつ。






『おはよ』


そんな私の気持ちを知ってか知らずか、ベッド際まで到達した彼が、私の前髪をさらり、と撫でる





ゆた「おはよ」




もう一度布団を引き上げようとすれば、手のひらを捕まえられる


ゆた「何で顔見せてくれないの」


そんなの決まりきっているじゃないか



『寝起きですっぴんだからです』





布団の中で、くぐもった声が出る。




ゆっくり、布団を引き剥がされる







ゆた「それを見れるのが彼氏の特権なんですが」




そういって、おでこに口付けをひとつ。



なんか、だめだ。朝からこの甘い空気、恥ずかしい。

そして頭が働かない。






何も言えない私に、彼はふっ。と笑みをこぼす。


そして頬に手を添えられて、今度は唇に口付けを一つ





にやっと笑って、かわいい、そう言葉を溢す










『っ顔、洗ってくる！！！！』






やっぱり気恥ずかしくなって、そう言って手のひらから逃れる。




いってら、と、後ろから聞こえる返事





この人はそうやってわたしのことを揶揄うのだから

困ったものだ。










出かける準備を着々と済ませていれば、




ゆた「準備できそう？先車乗ってていい？」



そう言いながら洗面所を覗きに来る彼



『うん、あとちょっと！先行ってて！』



時間もないのであとは髪の毛をまとめるくらい。













デート？と思った方もいるかもしれないが
今日は赤組BBQで秋川に向かう。




昨日遅くまで名古屋で撮影だったことから参加は無理と判断していたものの、


じゃあゆうた車作って2人で2時間くらい遅れで来るのは？

買い出しとか考えれば遅れても間に合うしょ。


とのことで、私側の撮影スケジュールも加味して甘えさせて頂いた。


さすが敏腕社長。

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