106:夫ではなく、婚約者 ページ9
,
大雨が降って、この晴天。
地面が石でできたこの帆船建築場はぬかるむ事が無いのですぐに作業を再開することができた。
それに不服な男が1人。
自分が運ぶ筈の丸太に身を投げ出し、全身を脱力させてテキパキと働く科学王国民に引いていた。
陽「きっしょ〜…あ、なぁ爺さん、この丸太って結局なんに使う訳〜?」
カセキ「ほっほ〜!これはねぇ」
設計図片手に何やらクラフトをしているカセキとゴロゴロくだらない話で盛り上がる。
するとプンスカと怒っている旧司帝国の巫女様が、石神村のメガネにおぶられて建築場に帰ってきたらしい。
足が使えないのって、この世界じゃ他の人におぶって貰えるしむしろ楽なんじゃね?とか失礼すぎることを考えながら、ぼーっと彼女の素顔を眺めていると、だんだんその映像が鮮明になり、ついには目が合った。
陽「ん?……ん!?こっち来てね!?」
『陽、未来とスイカに私が未亡人などと吹聴しているのは君だね!幼い子に謂れのない事を吹き込んではいけないよ!』
陽「きっしょ〜!?なんでわかったの!?」
おぶられたままでは格好がつかないと、無理を言って金狼に立たせてもらい、支えてもらいながら陽を見上げた。
『ただの推理さ。何故そんな事を急に言い出したんだい?君の部下も混乱していたよ。』
陽「だって巫女さん、司の嫁じゃん?司が死んで、巫女さんが未亡人。これフツーじゃね?」
『うん、前提から違うね。私は司の結婚相手では無いよ。あと私は琴寧だ。もう巫女じゃない。』
陽「嘘付け〜!俺はしっかり見たぜ!司とアンタが花畑でキスしてんの!」
『してないよ。何が見えたんだい???』
暗くてよく見えなかったのだろう。
開戦前夜、草花の群生地で寝っ転がる2人を、あろう事か小便中に目撃した陽は、絶対にあれは致していたと大声で言い放つ。
どこからか現れたニッキーが思い切り陽の急所を蹴り上げた。
ニッキー「コイツになんて関わらなくていいんだよ。」
『ふふ、陽。誤解を招かないよう説明しよう。私に夫はいないが、婚約者はいる。彼はまだ石化中だが、今も生きているよ。』
陽「へー…へー…マジ勘弁……っ」
『わかったかい?私は未亡人じゃあない。』
ニッキー「………それだけどね、琴寧…」
龍水「琴寧!!!!」
,
237人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柏餅(プロフ) - 栗子さん» \(//∇//)\ (2月23日 11時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» あけましておめでとうございます〜!🐉⛩️🎍ハートのクイーンは今後も重要な要素なので注目されて嬉しいです!!✨今年もよろしくお願いします!!🫶 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんハートのクイーンが欲しかったのお嬢すぎて好きです!遅れましたが明けましておめでとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジで共感の嵐です! (12月7日 17時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» Dr.STONEの女の子ってマジでいい女ばっかですよね〜!最新話まで見てくれてありがとうございます!!🥳 (12月4日 23時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:栗子 | 作成日時:2023年10月3日 22時