開目 ページ21
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鬼舞辻「....さらばだ。」
どんどん薄れゆく彼の姿に必死に手を伸ばす。
でも届くはずがなかった。
....しかし、掴んだのは別の暖かい感触。
一気に暗くなる視界。
朦朧とする、意識。
ズキズキと痛む体。
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〜くそ!待て!鬼舞辻、無惨!!〜
〜お前を鬼にして、嫁にしてやる。〜
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全ての記憶が次々へと思い出され
覚醒していく頭。
鬼舞辻....無惨!!!!
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ハッと目を覚ませば、手に人肌の感触。
その方向に顔を向けると懐かしい姿があった。
「....
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....杏寿郎。」
掠れる声のまま
そう呼べば、私の手を掴んで俯く彼の顔が
ゆっくりと上がった。
そして、信じられないというように目を見開いた。
元々目が大きいのにそれ以上開くと、
飛び出てきそうね....
煉獄「....ッAッ?おき、たのか?」
ずいっと顔を近づけられ、安否を確認される。
その顔は心配に染っている。
安心させるように笑いかけると
詰まったものがとれたように涙が溢れ出した。
....正直、彼が泣くのを見るのは初めてだな。
「....ただいま。」
おかえり、と力なく優しく返してくれた。
....そろそろ掴まれた手が痛い。
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泣いている彼の背中をよしよしと撫でていると
数人のドタドタと足音がしてきた。
胡蝶&アオイ「妖光さんッッ!!!!!」
....可愛らしい彼女達だった。
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作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年3月18日 21時