現実と意識 ページ19
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再び意識が戻ると、場面は変わったのか
彼岸花が狂い咲いている平原。
空を見れば夜で満天の星が広がっていた。
夜なので少し肌寒い。
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無数の星が今にも届きそうで、
思わず手を天に差し出す。
....当然届かなかった。
ここはどこなんだ、と辺りを見渡していると
後ろから男の気配がした。
さ、さ、と静かな足音がする。
追い風が吹いてきて、髪が顔を隠した。
「....誰ですかぁ?」
その髪を退かすように手をかざして
後ろを振りかえると....
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鬼舞辻「....牡丹。」
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....あの方がいた。
「な、ッ無惨様ッ!」
また、やられる。
さっと、腰に手を添えるが刀がない。
丸腰か....
ヒヤリと嫌な汗が流れる。
できるだけ攻撃を避けようと
身構えるも、鬼舞辻は眉を下げて苦笑した。
鬼舞辻「ふ、大丈夫だ。現実の私とは違う。」
「....は?」
現実の私?
どうやら、これは過去などではなく
鬼舞辻の意識の中らしい。
向こうにも敵意はなさそうなので
警戒を解く。
「どういう事ですかぁ?現実の貴方とは違うとは....」
意外にも、優しい笑みを浮かべて教えてくれた。
鬼舞辻「ここは、意識と現実の狭間だ。
現実のお前は、現実の私にやられて危険な状態だ。鬼になりかけている。」
....私が鬼に?
「そんな、鬼になんかなりたくないですぅ。」
鬼舞辻「だと思い、
お前からしたらいらない世話かもしれないが、
私が鬼化をできるだけ解した。
まだ完全に治っているかどうかは分からないがな」
なぜ、鬼舞辻がそこまでするのか。
いくら現実の彼とは違っても、性格や話し方がまるで違う。
別人と話しているようだ。
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作者名:美麗 x他1人 | 作成日時:2020年3月18日 21時