ー別れー ページ7
「あ!」
僕は病室を訪れた。そこには、病気の女の子がいた。
「よぉ......」
僕は彼女の病室に入り、彼女の側の椅子に座った。
彼女は癌で、今日は彼女の最後の日なのだ。
「何か.....喋りづらいね。」
それもそうだ。彼女は今、死ぬ寸前なのだから。
「まだ、生きたいよな?」
僕は唐突にそう言った。彼女は首を縦に振る。
「ただ、一度、天国にも行って見たかったんだよね。良い機会かもしれない」
彼女は笑いながらそう言う。僕は悲しくなった。
まだ15歳なのに、もっと楽しみたかったのに、そう思っていたからだ。
「.....俺、もっと君と一緒にいたかった。もっと楽しんだりしたかった.....。」
気づいたら、俺は頬に涙を伝わせていた。
「.....もっと楽しみたいよ、私も。」
彼女も涙を流していた。
「一緒に話したり楽しんだりしたい。だけど.....」
彼女の顔は、涙で濡れていた。
2人だけの病室で、その2人は泣いていた。
「疲れてるのかな?私、死を覚悟してたのに...まだ死にたくない思いが溢れてくる。」
彼女は顔をあげ、少し笑った。
「.....違う。それは当たり前の事だよ。人は、死ぬ事を覚悟なんか、出来ない。.....まだ、死にたくないんだろ?」
僕は彼女の肩をつかんで言った。
彼女は少し驚いてたが、すぐに微笑んだ。
「.....しょうがないよ。これが運命だから。」
とても15歳とは思えない言葉だ。
その一言に、僕はまた悲しくなった。
彼女の呼吸がだんだん激しくなっていく。
「.....悲しいな。もう会えなくなるなんて。俺も一緒に行ってみたいな。君の言う天国に.....。」
僕がそう呟くと、彼女は微笑み、僕を残った力で抱きしめた。
きつく、きつく。
「.....良かった。あなたと出会えて。でも、もう時間みたい。あなたと出会えて本当に良かった。ありがとう。」
そう言って、彼女は僕の胸で永遠に目覚める事が出来ない眠りについた。
僕は眠りについた彼女を抱きしめ、泣き叫んだ。
悲痛な叫びだった。
涙が止まらなかった。
涙が止まり、声も枯れた時、僕の視界は闇に染まった。
116人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凪 - 真夜中に見ちまった自分バカだ・・・( ´;゚;∀;゚;) (2022年1月5日 0時) (レス) @page27 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ア - ヤベェ、、、何で真夜中に怖いの見たんだよ自分アホかよぉ;;(意味怖だから大丈夫だと思ってた (2021年6月11日 23時) (レス) id: 115c23519c (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - おもしろかったですが、深夜1時に布団で読むべきではなかったです。 (2021年2月8日 1時) (レス) id: 67067d3c53 (このIDを非表示/違反報告)
RAMUNE - 個人的にどこへ行こうが一番好き (2019年11月15日 20時) (レス) id: 2553d8a9dd (このIDを非表示/違反報告)
レモン飴 - 解説は詳しいし話も怖い、、、さてはおめぇ神か? (2019年8月12日 7時) (レス) id: 12104f41c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユキ | 作成日時:2015年12月27日 16時