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私は今牢獄の扉の前にいる
重い扉を開けると、牢の中で背を向けて座っている定々様が目に映った
定「……何をしに来たんだねA君。
まさか私をここから出してくれるのか?」
『そんな訳ないでしょ。
私はただ貴方が最後にどんな顔をしているのか見に来ただけ』
定「君は優秀な人材だと思っていたが、
まさか化けの皮が剥がれるとこんなにも罪深い娘だったとはな。
今回これだけの大罪を犯しても、
その整った容姿と周りからの信頼、好意を利用して立場を維持したのだろう」
『……別にそんなつもりはない。
それに罪深いのはどう考えても貴方の方』
今まで自分の都合で人の気持ちを平気で踏みにじってきた男だ。
こんな悪虐非道な男、投獄されて当たり前だ
定「ふん、好意を寄せている哀れな者達に見せてやりたいものだ、
戦慄さえも覚えるその冷たい目を。
言ってやりたいものだ、この娘は魔女だと。」
さっきから何を言ってるの、魔女?私が?
私が顔をしかめていると、扉が開き、しゃらんと鈴のような音が牢に響いた
『!?天導衆……』
定「随分と遅かったではないか。
待ちわびたぞ」
迎えに来たって事……?
定「さあ早くここを開けろ、私を外へ連れ出せ
茂々残念だったな、お前に私を裁く事はできぬ
誰にも…天にも!!私を裁く事などできはしな…い?」
『!』
定々様の腹には刀が深々と刺さっており、血がぽたぽたと滴り落ちる
「…その通りだ。例え将軍だろうと天であろうと
誰にもお前は裁かせねェ。
お前を裁くのは、この俺だ」
定「きっ…貴様はァァァァ!!」
「思い出す必要はねぇよ、いずれ天導衆…
ふざけた烏共…いや、
世界の首ひっさげてそっちへ行くからよォ。
先生によろしくな」
男は刀を振り上げ、私は一瞬固く目を瞑った
目を開けると、そこには無惨な姿の定々様が
壁にもたれて死んでいた
「なるほど、こいつぁ確かに真夜にそっくりだ」
『!!』
「次会った時はこの腐った世界から連れ出してやる、
それまで待ってな、飛鳥A」
何で、彼が兄さんの事知ってるの……
兄さんだけじゃない、私の事も。
でもおかしい、彼からすると私は初対面だ
私からすれば指名手配の人物は貼り紙で何度も見たことがある
しかし会った事が一度もないのだ。
高杉晋助、彼も兄さんの事何か知っている?
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風蘭doll(プロフ) - ありがとうございます!こんな素晴らしいコメントを頂けて……私嬉しい!← (2018年9月14日 16時) (レス) id: 7e36fddfa3 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とても素敵でした...!一国傾城篇なんてもう素敵すぎて...!続き楽しみにして待ってます!更新頑張ってください! (2018年9月14日 13時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
風蘭doll(プロフ) - あくびさん» ありがとうございます!最近英検の勉強その他諸々で中々書けねぇ…でも暇を見つけたら即効書くつもりですのでもうしばらくお待ちを(*´-`) (2018年9月2日 14時) (レス) id: 7e36fddfa3 (このIDを非表示/違反報告)
あくび - 続きが見たくなりました 頑張ってください (2018年9月2日 13時) (レス) id: 2e696d8010 (このIDを非表示/違反報告)
風蘭doll - ありがとうございます!確かにね。でもモブの役目を主人公にやらせるパティーンを一度やってみたかったのだ\(^o^)/ (2018年6月27日 19時) (レス) id: 9a15409760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風蘭doll | 作者ホームページ:http://flandoll'scollections
作成日時:2018年6月18日 21時