そよ姫様の小さな護衛人

#26 ページ27

月｢……本当に…良いのか。

吉原が為にぬしらがここまで身を張る必要はありんせん。

引くなら今の内じゃ｣

銀｢…もう遅ェよ、約束しちまったからな｣

月｢…そうか、ならば約束じゃ。

きっと一緒に生きて戻ると｣

銀｢約束だ。きっとジジイと一緒に鈴蘭の元へ帰る｣


四人が自分達の髪を指に結んで約束を交わしている間、

私は屋根の隅に座って城の様子を見ていた

なんか嫌だなぁ、まるで私が反乱してるみたいで。

でも放っておけないし自分だけ戦わないのも気が引けるし……

仕方ない、やるか。


信｢今生の別れは済んだ？｣

新｢信女さん、まさか信女さんも｣

信｢私は見廻組の生き残り、任務を遂行しなきゃいけない。

それに、斬っていいんでしょ、人…｣

新｢…え？｣


……。


『これからどうやって入る？』

銀｢お前と姫様の顔を使えばいいだろ｣

『いやでも私一応共犯者として牢に入れられたし』

神｢じゃあこういうのはどうアルか？｣

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神｢ゴルァァァァァァ！！｣

信｢そこを退けモブ共｣

神｢姫様と護衛の小娘ブッ殺すどォォォォ！！｣


ハイ、人質作戦です。

今は信女さんがそよ様の首に刀を向け、神楽ちゃんが私の頭に番傘を向けている状態。


｢ひっ…姫様ァァァァっ！！

飛鳥ちゃあぁぁぁん！！｣

｢きっ…貴様ら二人に何という無礼を！！

百編処刑されてもその罪あがなえぬぞォォ！！｣

神｢じゃかしーわコルァ！！

臭ェ口で喋んなアル！！｣

信｢次喋ったら一言ごとに姫様の指落としていくから｣

そ｢だ…だずげで〜

ど…どぼして私がごんな目に〜｣


そよ様無駄に迫真の演技をしている。

これって私も何か喋った方がいいの？


『助けて〜殺される〜

嫌だよ〜死にたくないよ〜(棒)』


めちゃくちゃ棒読みだけど別にいいでしょ←


信｢臭いから喋んなって言ったよね｣

そ｢え？私も？｣

信｢何言喋った？｣

そ｢わ…わがりまぜん｣

信｢じゃ、めんどくさいから腕一本｣

新｢え"え"え"え"え"え"え"｣

｢姫様ァァァ！！｣

信｢ハイまた喋ったから腕一本｣

｢わっ…分かった！！道を開けい！！｣

信｢ハイまた喋ったから足…｣

新｢もういい！！もういいわ！！｣


私が信女さんの人質じゃなくて良かった。

あんな演技できないもん。

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