Summer time Days！2【wrwrd】【all】【合作短編集】 (ページ21)

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初めましての時は、
『なんやこいつ。軽率そうな笑みに、薄ら寒い態度。どうせ女やからって媚び売っとんのやろ。』
と、思っていたが、

初めて彼女が、衛生管理士として戦争のサポート役に回った時、
周りの幹部や部下達は、『もう助からない』と、
口を揃えて苦言を呈していたのに、
素早く、的確な応急措置を取ったお陰で部下が助かった時、
『あぁ。なんでこんな酷いこと言うたんやろ。』
って、後悔したのを今でも覚えている。

「命を救うのが私たち衛生管理士です。
戦場とは、死に向かう場所であり、
当然ですが、救えぬ命も出てくるでしょう。
ですが、彼は息をしている。
絶えておりません。治療することが出来ます。」

そういって、見事に瀕死の部下を救い出してくれた彼女に、

『なんも知らんのに、君の覚悟も、必死さも、
何もかもを知らんのに、全部を女だからって決め付けて、否定して、謝って許されることちゃうけど、ホンマに申し訳ない。』
と、謝罪した時の事を鮮明に覚えている。

「それが、私の、私たちの仕事ですから。
救える命を救っただけですよ。
お気になさらない方がよろしいかと。
トントン書記長様、顔色が優れないようですので、自室で十分な休息を取られてください。
それでは、私はこれで失礼致します。」

と、さも当然かのように言い放ち、
あまつさえ、俺の体の心配までしてくれていたことには驚いたものだ。

隈も酷くなかったし、マフラーを口元までしているからバレないだろう、とタカを括っていたのに。

それからペ神や兄さんから彼女の活躍を聞く度に好意を持っていたのかもしれない。
分からないけど、戦争が終わったら、
彼女に告白しよう。と決断して良かった。

ホンマは、好きって、ちゃんと言葉で伝えたかってんけどな。

ありがとうな。あの時も、今も。
長かったけど、俺らの今の関係は、夜空にある花火みたいに繊細で大変な物やってんな。

これから、また。
新しい日常を、愛しい人と歩めるんは嬉しい事、やんな。