Summer time Days！2【wrwrd】【all】【合作短編集】 (ページ19)

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ある意味で行けば、この人のこれも職業病か性格の良さが滲み出ている証拠だ。

話しているうちに、どこから花火の打ち上がる音が聞こえてくる。
人気の少ない、けれど雲ひとつない綺麗な夜空に上がる大輪は素晴らしいものだ。

「綺麗、ですね。
花火はfire workと言いますが、
その言葉の由来は、花火に使う火薬などの分量や絵柄、花の大きさを繊細に調節する職人さんの、
技量を褒め称える為に、fire flowerでは無く、
火の仕事、と呼ばれているそうです。」

『ふはっ！物知りやな〜。
エミさんなら、もっとイキるやろうな〜。』

「そんな事はありませんよ。
エーミール参謀長の作戦の豊かさは、彼の、参謀長様の知識の量が莫大であり、
その知識を最大限に生かせるだけの技量をもつ幹部の皆様が居らっしゃるからです。」

『そか。謙虚やなぁ。
なあ、僕と初めて会お()うた時の事、覚えとる？』

「はい。鮮明に覚えております。
あの時、この国はまだ、他の国と同じく女性軽視の思想を取り除けずにいました。
幹部の中にも、そのような思想が根強く残っている方もいらっしゃいましたし。」

『せやなぁ。君が居らんかったら、
周りの国と同じで、女性による暴動が起きてたかも知れん。』

「そんな事はありませんよ。
私でなくとも、他の女性兵がきっと、
いえ。必ず変革していたことでしょう。
たまたま、女性軽視の風潮を無くす取り組みを本格的に始めた頃に、目に見える形での成果を上げたのが私であっただけでしょう。」

『ほ〜ん。運も実力の内、なんてよく言うやんか？そんな風には思ってないん？』

「………。偶然なんて物は、私の思想の中にありません。努力したから、その結果が必然的に現れているだけ、だと思います。
それが私の場合は丁度いい時期に実っただけで。」

『そか。なぁ、唐突で申し訳ないんやけどさ、
あん時、君が僕らに反抗して、必死に治療したおかげで部下は死なずに済んだ。
何より、命を助けられる可能性が例え、0.1%でもあるのなら、ソコに尽力する君を見て、
あぁ、間違っとたんや。って、思えたんよ。』

「ふふ。それは嬉しい限りです。
怪我をした方、心に傷を負われた方に寄り添う仕事をしている私には勿体ない、
これ以上ない賛辞でしょうね。」

夜空に広がる満開の花を見ながら、初めて会った時のことを思い返す。