Summer time Days！2【wrwrd】【all】【合作短編集】 (ページ18)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:6,640 hit

Fire work -tn- ページ18

私は、総統補佐官兼書記長のトントンさんに、
誘われて花火大会に行くことになった。

何でも、幹部のひとらんらんさんの祖国の文化らしい。
他国の寄り良い文化は多く取り入れ、逆に改善しなくてはならない点は、直ぐに改善活動に移るこの国は、多国籍国家でありながら、非常に国民たちに支持されている。

そんな中、無事に大国R国との戦争も終えた、
という事もあり無事に開催できることになったのだ。

花火、というものを見るのは、もう数年ぶりで下手をしたら10年は見ていないかもしれない、と。
物思いにふけながら、待ち合わせ場所へと足を進める。

「トントン書記長様、お待たせしてしまいましたか。」

『そないに待っとらんよ。
ホンマ、Aさんは真面目やな。』

「そんなことはありません。
この国を作られた偉大なる総統閣下の右腕たる幹部様をお待たせしたのが心苦しいだけですから。」

『そか。その…、着物似合っとるで。』

「ありがとうございます。
トントン書記長様も見目麗しいです。」

『ふはっ！褒め上手やな。』

他愛ない話をしつつ、お待たせしてしまった事実に謝罪をして歩く。

そもそも、書記長様と関わり合うことが無かったのもあり、緊張しているのも事実だ。

『あ、そっちちゃうで。
穴場スポットがあんねん。Aさんは人混みが苦手やって聞いたからな。』

「私のような、看護師にまでお気遣い出来るトントン書記長様は本当に有能でございます。」

『そんなこと、あらへんねん。
やって、女の人とどう接したら分からんくて、拗らせとるしな。』

「そんなことはありませんよ。
女性に対しての気遣いは鬱幹部の方が出来ているのかもしれませんが、
無意識的に女性を対等に扱い、その上できちんと配慮できるというのは、並大抵の方では出来ません。」

『ふふ。ホンマに褒め上手やな。
それに、Aさんもよう、人の事見てるんやね。』

「いえいえ。私のこれは職業病という物なのでしょうね。
看護師をしている以上、患者の些細な変化に気付く必要性がありますからね。」

本当に、書記長様は人として、無意識的な紳士だと思う。
関わり合いの極めて低い看護師、あるいは衛生管理士に対しての配慮、個人への配慮、
部下へのアフターケアまでしっかりしている幹部は恐らくここまで居ないだろう。