Summer time Days！2【wrwrd】【all】【合作短編集】 (ページ16)

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堕ちた神になってなお、人の温もりに触れられていることに。

彼女と夫婦の契りを交わし合えたことに。

『たぁっぷり愛してあげますよ。
貴女が飽きるほどの愛を、一身に、真摯に。
そして最後には私に堕ちて下さい。
私無しじゃ生きられなくなるように。』

『ほんま、残酷なことするな。エミさんも。』

『トントンさん！
貴方だって協力してくれたのですから、共犯でしょう？それに、約束を取り付けてきたのは彼女の方ですよ？
私からじゃありませんから。』

微笑めば、呆れたようにため息を吐くトントンさん。

『まあ、ええわ。
俺の時も協力してくれるんやろな？』

『えぇ、トントンさんの欲しい方を連れてくる時は必ず、お力添えしますよ。』

『おん。ならええんや。
人の体は脆いからな。はよ、中入り。』

『えぇ。トントンさん。
今日の月は一段と綺麗ですねぇ。』

『せやな。エミさん。
狐に嫁入りするにはええ天気やな。』

『本当にそうですね。
こんな宵月に彼女を迎え入れられるなんて。』

『俺が言うのもアレやけどさ、
その子がちょっと不憫やな。エミさんの掌で踊っとたって知ったら離れてくんちゃう？』

『いいえ、離れないですし、そんな事許すと思いますか？』

『思わんな。』

『そうでしょう？ふふ、グルッぺンさんには感謝してもしきれませんね。
こんな私に、２度とないチャンスを与えてくれたのですから。』