65話 興味深い人 ページ24
授業が終わってすぐに教室を飛び出して廊下を駆ける。
この前のFSTで科学室に忘れてきてしまったペンを裏クラブが始まる前に取りに行くためだ。
だが、うちの教室から科学室まで結構な距離があるので、チャイムが鳴ってから3分程で到着した。
なんで僕を科学室のすぐ傍の教室にしてくれなかったのだ…
とクラス分けに文句を浮かべながら、お目当てのペンをすぐに発見する。
まだみんな集まってないだろうな、と考えながらペンをクルクルと回しつつ歩き出す。
裏の部室に向かうため図書室の前を通り過ぎた時、僕が来た方とは逆の道から
背の高い少女が歩いて来る。
かっこい〜…と思った瞬間その子がどこかで見聞きした気がして、なんとなく付いて行ってみる。
「ねぇ。」
突然付いて来始めた僕を不審に思ったのか、そう声を掛けられた。
「なぁに?」
「なんで、ついてくる?すれ違っただけ。」
「えー!だって面白そうだしっ!
それにリッちゃんが言ってた子に似てるんだー!」
と思っている事をそのまま伝えれば、不思議そうな顔をした後「知らない」と言われる。
リッちゃんの名前出しても知らないなら、別の人なのかな?と考えていると、
そのまま去っていくと思っていた彼女が僕を担ぎ上げ、スタスタと歩き出す。
そして伝えてもいないのに裏クラブの部室の前で下ろされた。
担ぎ上げられた事と、伝えてもいない部室の前に連れて来られた事に興奮する。
「うわぁっ!!!力持ちなんだねっ!それにここ!
僕の部活なんだぁ!!ありがとうー!ねぇねぇ名前は?!」
今度こそ去ろうとする動きを見せた彼女を、腕を掴もうとした所で彼女が自分で動きを止めた。
どうしたのだろう、と顔を覗き込んで見れば、開いた扉から見える中に目を離さないでいた。
その目はとある人物を見つめていた。
「姉さん………?」と呼ばれた彼女は、僕のバディ_リッちゃん。
やっぱり知り合いのようだ。
その声に反応するように向けられたエメラルドの瞳は大きく見開かれ、少女の名前を口にした。
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作者名:YSP裏クラブ一同 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年8月17日 18時