真夏の夜は貴方を想う1【SS】 (ページ25)

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夏が来たページ25

「ハハッ、いやいや
　こっちこそごめんね？
　筋肉痛はただの俺の運動不足。」

そんな謝られると説教してるみたいじゃん
って先生は笑ってる。

「まぁ、でも良かったよ。
　山田のことずっと見てたから気づけた。」

え…？先生が私をずっと見てた？
どうして？そう思ってると

「これで水泳補講決定だな！」

なんて言って、何でもなかったかのように笑ってる。

…何だか先生に振り回されてる気分。

「あ、さっきもありがとうございました。」

さっきの派手な女子たちから守ってくれたお礼を言うと、

「あー、あいつらいつもうるせーんだよ。
　香水は前から思ってたことだから今日言ってやった。」

いたずらっ子みたいな悪い顔をして
先生はそう言った。

「流石に、あの言い方は傷つくかなって思いました。」

私がそう言うと、

「山田は優しいんだな。
　お前の方が変な言いがかり付けられてたのに。」

「…いいんです。
　先生がかばってくれたから。嬉しかったです。」

思わず正直に言ってしまった。

「…ん。どういたしまして。
　山田は何かほっとけないんだよなー。」

そう言う先生が、
照れ臭そうに見えるのは気のせい？

なんて思っていると、

ポンッーー

「フッ、ま、元気そうでよかった。
　頼むからこれ以上心配かけんなよ？」

そう言って私の頭をポンポンした。

…落ちた。

高3の夏、私は人生初めての恋に落ちた。
　